「視聴者の東大嫌い」を払拭した菊川怜の大功績 東大卒の肩書を「隠す芸能人」がいなくなった訳
こうした、いわば負のイメージを一変させたのが、菊川怜です。1998年に現役東大生としてモデルデビューを果たし、翌年には女優としてドラマにも出演。
また彼女が工学部建築学科卒という、いわゆるリケジョ(理系女子)だったことや、時折見せる“天然キャラ”の影響も大。「東大、しかも理系の女子」と言われて世間が抱く、少々とっつきにくいイメージをガラっと変えたのです。
その後、菊川は2002年から報道番組のキャスターとしての仕事もスタート。さらにはクイズ番組などに“東大卒”の肩書を前面に押し出して登場することで、現在に繋がる東大生キャラ確立の道筋を創り上げたと言っても過言ではないでしょう。
東大卒タレントはなぜ重宝される?
というような流れの中、菊川怜が切り開いた“東大生・東大卒タレント”が、ここ数年一気に花開きました。ではなぜテレビ界はここまで“東大生”を重宝するのでしょうか? 番組を制作する側に身を置く私なりの見解を述べると……「東大生は、どう転んでもオイシイから」です。
クイズ番組の回答者として東大生(東大卒)を起用した場合、当然のごとく、番組側は難しい問題を用意します。それに見事に正解すれば、視聴者は「やっぱり東大はスゴイ」となります。これに不正解すれば「東大も大したことないね」とばかりに、多くの視聴者はわずかながら優越感を得られるというワケです。
また、番組側が女子高生の間で流行っている事柄などを問題に設定し、これに東大キャラが不正解すると、従来通りの「東大生=お固く、浮世離れした人たち」というイメージに合致。「アイドルVS東大キャラ」といった図式を用意する場合などはその典型的使用例でしょう。
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