支持率急落、菅首相「鉄壁ガースー」戦略の限界 会見はメモ棒読み、紋切り型答弁で説明を回避
今回の世論調査で支持率の平均は50%台半ばとなった。3カ月以内で支持率が20ポイント近く下落するのは異例のことだ。加えて、極めて低かった不支持率が急上昇しているのも不安材料となっている。もっとも、歴代内閣に比べれば支持率はなお高く、与党内でも「一喜一憂する必要はない」(自民幹部)と余裕の声も漏れる。
しかし、世論調査結果を分析すると、いずれの調査でも政府のコロナ対応は「評価しない」が「評価する」を大きく上回り、菅首相が主張する「感染防止と経済活動の両立」についても感染防止優先が圧倒的多数となっている。
さらに、前臨時国会終盤で再燃した桜を見る会をめぐる疑惑でも、当事者である安倍前首相の明確な説明を求める声が8割超となった。安倍前首相の国会招致や政府の再調査を求める声も6割前後となり、官房長官として安倍前首相の答弁内容をそのまま繰り返した菅首相への不信感もにじむ。
記者会見は棒読みに終始
こうした状況について立憲民主党幹部は「コロナ対策はほぼ無為無策で、Go To事業(の見直し)対応も不十分なのが最大の理由」と指摘。共産党は「首相の指導力がないどころか、右往左往、迷走ばかり」(幹部)と酷評している。
菅首相が感染防止策で国民の自衛ばかりを求め、Go Toの運用見直しも都道府県知事に丸投げしていることについて与党内でも不満が相次ぐ。しかし、菅首相はこうした声も無視する形で、具体策を講じずに「国民の命と暮らしを守るため、全力を尽くす」と繰り返すだけだ。
こうした菅首相の「頑迷固陋(ころう)な姿勢」(閣僚経験者)を浮き彫りにしたのが、国会が事実上閉幕した4日夕の記者会見だった。首相官邸における本格記者会見は、就任時の9月16日以来、2度目となる。
まず冒頭発言で約18分間、政権発足以来の内政・外交の成果を語ったが、安倍氏と違ってプロンプター(発言補助装置)を使わず、カメラ目線なしで手元の応答メモの棒読みに終始した。
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