山田氏隠しで逆ギレ、菅降ろし「土石流化」も 菅首相のトップリーダーとしての資質に疑問符

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2月26日、首相官邸で記者団の質問に答える菅義偉首相(写真:時事)

政府が大阪府などの緊急事態宣言解除を決めた2月26日夜。菅義偉首相がぶら下がりインタビューで「逆ギレ」したことが批判を巻き起こしている。

コロナ対策における重要決定なのに、菅首相は公式の記者会見を見送り、官邸玄関ホールでの短時間インタビューで済まそうとした。「(コロナ対策の)途中経過だから」(菅首相)が理由だが、会見の司会進行役となる山田真貴子内閣広報官(3月1日に辞職)に違法接待が発覚したことによる、「山田氏隠しのための会見見送り」(立憲民主幹部)と受け止めたからだ。

露呈した首相としての資質の欠如

通常の数倍となる18分間のインタビューでは、肝心の宣言解除の理由や今後の見通しよりも「山田氏隠し」に質問が集中。菅首相はメモを見ながら、「まったく関係ない」と苦々しげに否定したが、記者団の執拗な追及に、最後は「同じ質問ばかりじゃないですか」などと露骨に不快な表情で打ち切り、逃げるように立ち去った。

続く3月1日の衆院予算委員会の集中審議も大荒れとなった。政府はそれに先立つ持ち回り閣議で、山田氏の辞任を了承。集中審議の冒頭、加藤勝信官房長官が「山田広報官は昨日夕刻に体調不良のため2週間程度の入院が必要となり、辞職したいとの申し出があったので、先ほど受理した」と説明した。

質疑のトップに立った立憲民主の枝野幸男代表は、山田広報官を続投させようとした菅首相を「遅きに失した」と追及。菅首相は「辞職したいとの申し出があったので、やむをえないと了承した」と平静を装ったが、主要野党は「体調不安を理由とした露骨な山田氏隠しで、病気による辞任もつくられたシナリオだ」(立憲民主幹部)などと追及した。

今回の混乱を極めるドタバタ劇で露呈したのは「菅首相のトップリーダーとしての資質の欠如」(閣僚経験者)。さらに、「官房長官や首相秘書官ら菅首相の取り巻きの機能不全」(首相秘書官経験者)を指摘する声も相次ぐ。

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