山田氏隠しで逆ギレ、菅降ろし「土石流化」も 菅首相のトップリーダーとしての資質に疑問符

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コロナ新規感染者の大幅減とワクチン接種開始で、いったんは下げ止まっている内閣支持率だが、与党内には「また下落しかねない」(自民幹部)との不安が広がる。

3月下旬に最終局面を迎える東京五輪開催の可否や、4月25日の衆参統一補欠・再選挙を控え、今後の展開次第では「自民党内で伏流水となっていた菅降ろしが、激しい土石流にもなりかねない」(自民長老)との見方も広がる。

2月26日のインタビューでは、菅首相が冒頭、宣言解除の理由と残る4都県の解除の見通しなどについて説明した。しかし、違法接待の質疑が始まると、菅首相の表情は一気に険しくなった。

不快げに記者の質問を打ち切る

山田広報官の続投について問い詰められると、「昨日、ここで答えた通り」と記者団をにらみつけた。違法接待を行った東北新社が社長と首相の長男の部長職の解任を決めたことを問われても、「承知していない。処分は会社のけじめだと思う」と紋切り型の返答でかわした。

さらに、「なぜ記者会見を見送ったのか。山田広報官の問題が影響したのか」と問われると、「まったく関係ない。記者会見のタイミングについては最後まで状況を見極め、判断を行った後に緊急事態宣言全体についての会見を行うべきだ。だからこのような形で対応している」と気色ばんだ。

記者団が「今度の会見では、最後まで質問を打ち切りなくお答えいただけますか」と詰め寄ると、「いや、私も時間がありますから。先ほどから同じような質問ばかりじゃないでしょうか」と不快そうな表情で質問を遮り、質疑を打ち切った。

インタビューの模様は初めからNHKで全国中継され、7時の定時ニュースが始まっても中継が続いた。ネット上には「首相が逆切れ」「記者団を恫喝」などの書き込みがあふれた。

こうした菅首相の対応について、周辺からは「身内の長男や腹心の山田広報官の不注意な行動に、内心では苛立ちが頂点に達していたため」との声が漏れる。確かに、総務省幹部の違法接待は「いわば菅首相の身内のスキャンダル」(周辺)で、「すべてを総務省の責任で済ますことはできない」(自民幹部)からだ。

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