遺言書では済まない「おひとりさま」死後手続き 身近に頼れる親族がいない状況でどうすべきか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そこで、死後事務委任契約には、見守り契約が組み合わされるのが一般的です。とくに「おひとりさま」の場合、自分に異変が生じても、受任者に連絡をとってくれる人がいません。ですから、受任者には、定期的に委任者に連絡をとり、異変が生じていないかを確認するよう求められる場合があります。

「おひとりさま」の人が依頼するときには、この点についても相談しておくことがおすすめです。

死後事務委任契約の支払い方法は?

死後事務委任契約の報酬には決まりはありません。専門家によってかかる費用も変わってきますから、十分に検討する必要があります。

もっとも、安ければお得というわけでも、高ければ安心というわけでもありません。信用できる人に頼むという点が肝心であることは、相手が専門家であろうと、友人・知人であろうと同じです。

『おひとりさまの終活「死後事務委任」』(あさ出版)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします

それに現在(2020年12月)、死後事務委任のみを引き受けるという専門家は、さほど数がないだろうと思います。あくまで現状は、財産については遺言書で、それ以外の死後事務については遺言書のオプションとして契約しておく、という方針をとっている専門家が多いのです。

なぜなら、遺言と死後事務委任契約を組み合わせることで、一方では不足な部分を、もう一方で補うことができるというメリットがあるからです。 

ちなみに、死後事務委任契約の場合、報酬とは別に手続き等にかかる費用も当然、自己負担になります。もっとも、死後事務にかかる実費がどのくらいになるか正確なところは、死後になってみないとわかりませんから、死後事務委任契約の締結時には概算で見積もりを出すことになります。

支払いは、①遺産から支払う、②預託しておく、いずれかの方法がよく使われるようです。このように「死後事務委任」でしっかり準備しておけば、「おひとりさま」の死後の不安も解消できるというわけです。

國安 耕太 ノースブルー総合法律事務所 代表弁護士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くにやす こうた / Kuniyasu Kouta

1980年東京生まれ。小学4年生のときに法曹界を目指し、親の仕事の都合で小学6年生~中学2年生まで、ギリシャ・アテネで過ごす。早稲田大学法学部、中央大学法科大学院卒業。司法試験の他、国家公務員試験I種試験(現:国家公務員総合職試験)にも合格。
弁護士ファームへの勤務ののち、ノースブルー総合法律事務所を開設。
業務内容は、企業法務(リスク管理・労務管理等)、知的財産法務(著作権、商標権等)、事業承継・相続法務、倒産法務、不動産法務など。中央大学法学部兼任講師や財務省税関研修所委託研修講師(知的財産法)などもつとめている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事