渡部建の謝罪会見が結果的に「成功」と言える訳 記者に批判殺到、遅きに失したが小さな一歩に

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これだけ芸能記者たちが視聴者に悪い印象を与えたことで、謝罪会見が終わったころには、「会見は開く必要がなかった」という声が飛び交っていました。結果的に今回の謝罪会見は、ほとんど思い入れもない他人に辛らつな声を浴びせていた人々が、我に返るきっかけとなっていたのです。

ただそれでも、渡部さんが一度与えてしまった「気持ち悪い」という印象はやっかいであり、これを忘れてもらうには、それなりの年月が必要。渡部さんも会見によって「気持ち悪い」の底は脱しましたが、これからの行動が大切なのです。本人が語っていたように、「僕自身の行動、生き方で信頼を回復していく」しかないのでしょう。

不倫報道から半年の間、批判の火は消えたのではなく、燃え続けていましたし、どんなに落ち込んでいたとしてもすぐに会見をやっておくべきだったのは間違いありません。しかし、芸能記者の悪印象もあって、クライシスコミュニケーションの観点では、確実に小さな一歩を踏み出すことができたのです。

応援メッセージであふれるブログ

最後に、今なお渡部さんに批判の声を浴びせている人へ。

会見前には「渡部アレルギー」というフレーズがトレンドランキングに入るなど、嫌悪感をわざわざ書き込むことで自ら増幅させている人が目立ちます。しかし、批判を浴びせれば「スカッとした」と思い込んでいる人をよく見かけますが、これは大きな間違い。

利害関係のない人に批判の声を浴びせるほど、行き場のない負の感情は渡部さんのもとには届かず、自分の心に蓄積されていくでしょう。さらに渡部さんではなく、次の叩けそうな人を見つけて批判を浴びせると、負の感情は山積されてジワジワと自分をむしばんでいきます。

また、不必要な批判を繰り返すほど、渡部さんの家族や相方の児嶋一哉さんを苦しめ、さらに同じ「渡部」「建」という名前の人がいじめられる2次被害が深刻化していくでしょう。もし渡部さんへの嫌悪感が消えなくても、ネット上で叩くのではなく、ただ心の中で軽蔑して視界から消せばいいというだけの話なのです。

渡部さんのブログは、下記のような応援メッセージであふれていました。

「報道陣の質問が不愉快でした。渡部さん、応援しています!頑張って復活して下さい!」
「過去よりもこれからの姿勢、生き方が重要。気づきに遅いことはないから、今ここから頑張って欲しいです」
「渡部さん大変な会見でした。また必ずやり直せます!これから同じ過ちを悔い改めて頑張って下さい。奥様のお気持ちに応えてあげて下さいね」
「これから、これから!またテレビなどで見られる日を待っていますよ!」
「誰にでも失敗はある。私も失敗して後悔してばかりです。これからは家族のためにも前向きに頑張りましょうね!」

応援するかはさておき、渡部さんがひどい不倫をしても、謝罪会見を開かず逃げ回っていても、第三者である人々が過剰に責め立てる必要性はどこにもなく、むしろ反省してやり直す姿を見守れる社会でありたいところです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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