渡部建の謝罪会見が結果的に「成功」と言える訳 記者に批判殺到、遅きに失したが小さな一歩に

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ぐるっと囲まれる囲み式で会見が行われました(写真:共同通信)

また、質問の内容も「(多目的トイレでの性行為)それは性癖ですか?」「今後どのように多目的トイレを使っていく?」などの耳を疑いたくなるようなものが散見されました。その他にも、「渡部さん自身の必死さが伝わってこない」「(妻の佐々木希さんは)秋田の女性なのですごく耐えるという気持ちも強いと思うんですけど」など、芸能記者たちの行きすぎた言葉があり、なかでも極めつけは「われわれも『ガキの使い』で来ているわけではない」というフレーズ。

『ガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないシリーズ』の収録参加を語ろうとしない渡部さんに苦言を呈すような上から目線の口調であり、しかもウケ狙いの言葉に会場から笑いが漏れていましたが、これこそが芸能記者の勘違いを象徴していました。

いち出演者が未発表情報を言えるはずがない

芸能記者たちは「収録参加(仕事復帰)が先か、謝罪会見が先かをはっきりさせたかった」「発言の矛盾を突こうとした」のでしょうが、いち出演者の渡部さんが未発表の情報を勝手に言えるはずがありません。それにも関わらずしつこく聞き続ける芸能記者たちの姿に、ツイッター上には「同じ質問ばかりしていてバカみたい」といううんざりするような声が次々に挙がっていました。

もし渡部さんの発言に矛盾があったとしても、それを明らかにしたところで誰も得しないし、多くの人々が聞きたかったのはそこではないでしょう。芸能記者たちは「言葉の粗を探して責めよう」という意識があるから、こういう偏った質問の流れになってしまうのです。「(渡部が収録に参加したのか)そんなに聞きたいなら日テレに聞け!でも記者たちは日テレには強く言えないんだろうな」というツイートがまさに正論でした。

そんな芸能記者たちの姿勢が、前述した「『気持ち悪い』という印象をどれだけ軽減できるか」というポイントに影響を及ぼしていました。ツイッター上には、「レポーターたちが気持ち悪すぎて渡部の気持ち悪さが薄らいだ」「芸能リポーターは渡部より500倍キモイ」「『女性の味方です』というスタンスが気持ち悪い」「リポーターが気持ち悪すぎて途中で見るのをやめた」などの声が見られたように、芸能記者たちとの比較上で「気持ち悪い」という印象がいくらか軽減されていたのです。

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