渡部建の謝罪会見が結果的に「成功」と言える訳 記者に批判殺到、遅きに失したが小さな一歩に

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その意味で象徴的だったのは、ツイッターのトレンドランキングに「女性記者」「レポーター」「リポーター」がランクインしていたこと。しかもその中身は、「レポーターの態度や質問がひどい」「何であんなに上から目線なんだ?」「質問がハラスメントそのもの」「最低な仕事」などの批判ばかりでした。その他にも、トップ4を形成した「記者会見」「渡部の会見」「謝罪会見」「渡部さん」というトレンドワードの中に芸能記者を批判する声が半数近くに及んでいたのです。

精神崩壊や自死を選んでしまう危険性

とりわけ目立っていたのは、謝罪会見をイジメとみなす声の多さ。「会見ではなく公開イジメだったな」「立場の弱い人間を大勢の大人がいじめているようにしか見えなかった」「芸能人の記者会見がこれではいつまでたってもイジメはなくらない」「こいつ(渡部さん)も大概だが、逃げ場のない人間にカメラを向けてとことんイジメ抜くマスゴミに反吐が出る」などの声が挙がっていました。

さらに本質を突いていたのは、「記者が最低でレベルが低すぎる。この会見で渡部が精神崩壊する可能性あるよね」「こんなに追い詰めて自死するかもとかは考えないんだろうな」という声。確かに、家族でも利害関係者でもない多数の人々から強く責められ続けたら、「自分は世界中の人からここまで嫌われているんだ」「もはや生きている意味があるのだろうか」と精神を病んでしまう危険性があるでしょう。

人々の怒りが個人に届きやすい現在の社会は、芸能記者たちの「それが私たちの仕事だから」「芸能人だからこれくらいの攻撃は当たり前」という理屈が通用する時代ではないのです。会見で渡部さんが精神科の病院に通っていたことがわかりながら、より厳しい言葉を浴びせ続けた芸能記者たちの姿勢は危険極まりないものでした。

会見の形式が着席式ではなく、多くの記者にぐるっと囲まれる囲み式だったことも、「よってたかっていじめている」という印象を高めました。しかし、これは裏を返せば、渡部さんに同情が集まりやすい形式であり、その意味では優秀な危機管理の専門家からアドバイスを受けていたのかもしれません。

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