新卒採用で人事担当が嘆く「就活生の質の劣化」 売り手市場で低い意欲、内定辞退に憤る声も

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教育についての不満もある。「全人教育」のような立派な理念をうたう大学があるが、実際には就職率の高さで受験生を集めている。

また、2000年頃から「就職課」を「キャリアセンター」と名称変更する大学が多かったが、企業の人事担当者からは「就職がゴールのようになっている。学校の意識変化が必要」(サービス・300人以下)という声が目立つ。

「就職はゴールではない。わが校はリベラルアーツ(教養科目)に力を注いでいる」と主張する大学もある。ところが、学生の育ちに繋がっておらず、人事の不満は大きい。

「学生自身が自己分析できていない。もっと親や学校が“働く”ということを早くから考えさせるべき」(サービス・300人以下)

「個人の能力が低いにもかかわらず、権利を主張する傾向が強いので、コミュニケーション力を身につけてもらいたい」(サービス・300人以下)

「学生の教育。高校生の時点でキャリアを意識した教育が必要」(サービス・300人以下)

「内定辞退」に憤り

昔から採用担当者を悩ませてきたのが「内定辞退」だ。採用は農業に似ていて、1年単位で種まき、苗の田植え、水やり、収穫を行う。シーズンごとに施策を立てて採用工程を進めていき、最後に内定を出して終わる。次は10月1日の正式内定、翌年4月の入社へと進む。この1年がかり、いや、サマーインターンシップから考えれば、実際には2年近い作業を根底から覆すのが「内定辞退」だ。

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すべての採用担当者は内定辞退に遭遇し、憤りを感じたはずだ。そして、この数年で内定辞退が増えている。今回のアンケートでは辞退学生に対する「ペナルティー」や2次エントリーなどの仕組みを求める声があった。

「内定承諾後の辞退は何らかのペナルティーを設けないと、企業側が圧倒的に不利。承諾後の内定辞退が出たら、サイトに大学・学部・学科をインプットして公表する等の措置を講じてほしい」(メーカー・301~1000人)

「一部の大手による囲い込みで、内定辞退者が一定数出てしまう。内定者辞退を想定した2次エントリーのような仕組みが必要」(サービス・1001人以上)

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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