『キカイダー』は日本人のカリカチュアだ 映画界を牽引する角川&東映「W伸一郎」に聞く

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KADOKAWAの10年周期

井上:KADOKAWAの場合も10年ごとにメインの業態が変わっていますからね。昔は文芸の会社で、それから映画の会社になった。ただ、正確に言うと、70年代から80年代は文庫の会社でした。文庫を売るために映画を作り、その文庫の売り上げでまた映画を作るという。その後、情報雑誌が主流の時代もありました。そういった時代を経てきて、今また既存の出版社でも映画会社でもない、ネット時代に対応した新しいメディア企業になろうとしている。先頃、発表させていただいたドワンゴとの経営統合なども、そうした考えの先にあるものです。そういう意味では、10年ごとに生まれ変わるぐらいのつもりで、ようやく企業は生き永らえていけるのかなという気がします。

――われわれが発見していないカテゴリーをこれから見つけてくるという意味で、カテゴリーがないというのは、逆に強みとなるのかもしれません。

井上:そうですね。そうなればいいですね。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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