「パ・リーグ」が「セ・リーグ」より強くなった理由 球団経営やマネジメントの視点から「差」を分析

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社歴が60年を超す「老舗球団」はすべてセ・リーグなのだ。かつてプロ野球参入御三家と言われたのが「新聞」「鉄道」「映画」の3業種だったが、映画界が斜陽となり、松竹、大映、東映が球団を手放した。鉄道も、東急、西鉄、南海、阪急、近鉄の5社が球団を手放し、今は阪神と西武の2球団になっている。新聞は、毎日、サンケイが撤退し、今は読売新聞、中日新聞だけとなっている。

これに代わって台頭したのが「IT系」だ。パのソフトバンク、楽天、セのDeNAがこれに当たる。オリックスもIT系のビジネスが多い企業グループだ。こうしてみても、セ・リーグの親会社のほうが「古い会社」が多いことがわかる。

筆者は各球団の広報に取材の申し込みをすることがしばしばあるが、セ・リーグの球団の中にはほんの2~3年前まで「申し込みはファクシミリでお願いします」という球団があった。いろいろな手続き面でも、古いなあと思わせることがしばしばあった。「老舗、名門」と「新興、ベンチャー」、セ・パ両リーグには親会社の「体質」が反映しているのではないかと思う。

企業規模の「差」

セ・パ両リーグの親会社の差は「新しさ、古さ」だけではない。企業規模も大きく異なっている。

■セ・リーグ
読売ジャイアンツ
 親会社:読売新聞グループ本社 グループ売上高 約5818億円(2019年3月期)
阪神タイガース
 親会社:阪急阪神ホールディングス 連結売上高 約7625億円(2020年3月期)
中日ドラゴンズ
 親会社:中日新聞社 売上高 約1221億円(2019年3月期)
横浜DeNAベイスターズ
 親会社:ディー・エヌ・エー 連結売上高 約1214億円(2020年3月期)
広島東洋カープ
 親会社:なし
東京ヤクルトスワローズ
 親会社:ヤクルト本社 連結売上高 約4070億円(2019年3月期)
■パ・リーグ
福岡ソフトバンクホークス
 親会社:ソフトバンクグループ 連結売上高 約6兆1850億円(2020年3月期)
千葉ロッテマリーンズ
 親会社:ロッテホールディングス 非上場
東北楽天ゴールデンイーグルス
 親会社:楽天 連結売上高 約1兆2639億円(2019年12月期)
埼玉西武ライオンズ
 親会社:西武ホールディングス 連結売上高 約5659億円(2019年3月期)
北海道日本ハムファイターズ
 親会社:日本ハム 連結売上高 約1兆2298億円(2020年3月期)
オリックス・バファローズ
 親会社:オリックス 連結売上高 約2兆2803億(2018年3月期)

親会社の定義やグループの定義など、各球団によって種々違っているので、正確な比較はできないが、親会社の売り上げ規模ではパ・リーグ球団のほうがセ・リーグ球団よりもはるかに大きいことがわかる。

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