毎年5000人が心を病む「教員」の過酷すぎる実態

疲労やストレスをためこんで心身が疲弊する

ストレスや激務の末、命を落としていく教員も(写真:mits/PIXTA)
業務負担が過大な日本の教員。加えて教員同士の人間関係のストレスや新型コロナの対応などで、心身ともに限界の教員が増加し、かつての聖職は今や「ブラック化」している。
「日本の教員があまりに疲弊せざるをえない事情」(2020年11月20日配信)に続いて、教育ジャーナリストの朝比奈なを氏の著書『教員という仕事 なぜブラック化したのか』より、知られざる「職員室」の現状を紹介する。

精神的ストレスが引き起こす大量の休職

厳しい環境の中で働いていれば、当然のことながら心身の健康を損ねる教員が多くなる。現時点で特に深刻なのが、精神疾患による休職者の増加だ。

下記の図表は、病気による休職者数の推移を表したものである。2002年に精神疾患による病休者が全病休者の過半数に達し現在まで続いている。実数では2008年に精神疾患による病休者は5000人を超え、途中若干前年を下回る年はあったものの、10年以上5000名前後で高止まりしている。教員全体数が減少している中においてである。

(外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

文部科学省もこの状況を問題視し、2013年3月に教職員のメンタルヘルス対策検討会議が出した「教職員のメンタルヘルス対策について(最終まとめ)」では、2011年度時点の調査結果を基に対策の検討が行われている。

この時点では所属校勤務2年以内の発病者が約半数であること、40、50代の発病者が多いこと、新任でいわゆる研修期間内の病休者の9割が精神疾患であることなどが判明した。増加の背景には業務量増加と業務の質の困難化があるとし予防的対策を始め多くの対策が挙げられたが、改善はほとんど進んでいない。

2018年度の文科省「公立学校教職員の人事行政状況調査」結果から最近の病休者の特徴を見ると、学校種別では小学校、中学校、特別支援学校に多く、いわゆる「ヒラ」教諭に多いこと、病休者が多いのは30代以上だが、精神疾患が占める割合は20代に多いことなどがわかる。

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