会話がどうもヘタな人と上手い人の決定的な差 リモート会議で意思疎通を円滑にやる為のコツ

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著者は、リモート時代の「プレゼンエリート」は人気のYouTuberかもしれないと記している。YouTuberといっても多種多様なので十把一絡げにはできない気もするが、それでも言わんとすることはわかる。

「聞かせ」「見せる」ことへの努力と情熱は重要なポイントであり、それは次の6つに表れるというのだ。

① 豊かな表情

人気のYouTuberには、表情が豊かな人が少なくない。楽しそう、うれしそうな表情だからこそ、見ている人を楽しい気分にしてくれるというわけだ。

② 大げさな動き

動きがなければ、視聴者も飽きてしまう。そこで歩いてみたり、走ってみたり、つねに動きの変化を意識している人が多いという。

③ 現物を見せて、興味を引く

例えばゲームや新商品などの「もの」を見せれば、視聴者は興味を持ち、動画に引き込まれる可能性が生まれる。

④ 効果音をふんだんに使う

強調したい場面、あるいは場面転換などで、効果音がふんだんに使われることが多い。それが動画のアクセントとして機能するのだろう。

⑤ テロップを入れる

テレビでも以前から使われている手法だが、しゃべった内容のポイント、あるいは発言のすべてをテロップで流す人も多い。

⑥ 口語体・会話調を使う

見ている人と会話をしているような語り口にすれば、親しみやすさをアピールできるということ。

もちろん、これらすべてをリモート会議に生かせるわけではないが、それでも①②⑥などは応用できるのではないだろうか。いずれにしても「聴覚」と「視覚」の双方を刺激すれば、直感的に理解し、記憶してもらいやすくなるということだ。

スーパーエリートのコツをシンプルに学ぶ

この本では、世界のスーパーエリートに学び、「伝説の家庭教師」として、こっそりと、トップリーダーだけに伝授してきた「人の『共感』と『信頼』を勝ち取る話し方の最強方程式」を余すところなく紹介しています。
多くのリーダーから「目からうろこ」とお墨付きをいただいた「世界水準の話し方」の最強テクニックをよりすぐりました。(「はじめに」より)

本書について著者はこう述べているが、しかし難解な内容ではなく、それどころか非常にシンプルなものとなっている。また必ずしも最初から順番に読む必要はなく、50種に分けられた“ルール”の中から必要なところだけを抜粋して読むこともできそうだ。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「WEBRONZA」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)など著作多数。

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