よみうりランド、TOBで「巨人パーク」になれるか

ジャイアンツタウン構想は30年以上前から悲願

読売グループとの資本関係は遊園地の建設を決め、公募増資を行った1963年5月(出資比率2.0%)から始まり、1971年には筆頭株主となっている。

2%の出資ながら「よみうりランド」という名前がついた理由については「社史にも明確な記述がない」(広報)と謎のままだ(編集部撮影)

実は前身の川崎競馬倶楽部の発起人の一人で、設立後会長に就任したのが読売新聞社社長を務めた正力松太郎氏。「国際的チャンピオンコースを開設しよう」とゴルフ事業部門を新設したのも、多摩丘陵にゴルフ場を設け一大遊園地にする、という構想も正力氏によるものだった。「他の施設のまねではなく、はるかに斬新で雄大なもの」を目指し、建設現場にも熱心に通い詰めていたという。

1985年には読売新聞グループ本社の完全子会社である読売巨人軍の要請を受け、2軍のための読売ジャイアンツ球場を遊園地の周辺に建設。サッカーJリーグの現・東京ヴェルディにも、かつて読売新聞社とともに出資していた。同じく遊園地そばの「ヴェルディグラウンド」は現在も同チームの練習場だ。

あのナベツネも社外取締役を務めた

読売グループの福祉分野の取り組みとして、2005年には高齢者向け病院と特別養護老人ホームを開設。2014年にも介護老人保健施設がオープンした。これには、よみうりランドが業績悪に苦しんだ際、読売グループが同社に賃貸収入を与える救済の意味も含まれている。

経営陣も、現在の溝口烈社長、前社長の杉山美邦取締役、その前の上村武志氏も読売新聞出身だ。主筆である渡辺恒雄氏も1992年から2017年まで、25年にわたって社外取締役を務めた。「経営の独立性を尊重しつつ、困難な課題に直面したときには、共に課題解決に当たってきた」(読売新聞グループ本社の山口社長)と説明されるが、それ以上に脈々と続く、非常に強固な関係がある。

完全子会社化されるメリットは何か。読売グループは、グループ内融資制度の活用などによる資金調達や顧客層の開拓、人材交流の活発化、情報発信の強化などを掲げるが、最も重要かつ、課題となるのは新たな収益基盤の確立だろう。

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