よみうりランド、TOBで「巨人パーク」になれるか

ジャイアンツタウン構想は30年以上前から悲願

よみうりランドはジェットコースターや観覧車をはじめ、個別のアトラクションが中心の遊園地。東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのように、園内全体を演出するテーマパークとは異なる。そのため、アトラクションやイベントの新鮮さや話題性に入園者数が大きく左右される。

バブル期の年間入園者数は100万人超えが続いたが、その後は娯楽の多様化などで60万人台に低迷。2010年にスタートしたイルミネーションイベント「ジュエルミネーション」など、各種イベントの投入で再成長に転じ、入園者数は2016年の193万人まで過去最高を更新。しかし、その後は伸び悩み、2019年は157万人に終わった。

杉山前社長は2019年、東洋経済の取材に対し、「入園者数は足踏み状態。この業界は(新施設を開業しても)2~3年も経てば飽きられる。今までの遊園地の枠を超えなければ発展できない」と語っていた。気づけば、13年に1万1000円を超えていた株価も5000円前後のもみ合いに低迷することになる。

「スーパー遊園地構想」にコロナが直撃

そこで乾坤一擲、ぶち上げたのが「スーパー遊園地構想」。2019年からの10年間で550億円を投資する大プロジェクトで、2029年3月期の入園者数の目標は433万人。アート水族館やファミリー向け施設、大型アトラクションの新設に加え、既存エリアの増強やリニューアル。宿泊施設や商業施設の開発、遊園地のアクセス改善。インバウンドを含む遠方客の掘り起こしなどを掲げていた。

ここにコロナ禍が立ちはだかる。インバウンドの獲得など新規客の開拓は極めて困難になり、得意の知恵を絞ったイベントも「密」を避けなければならない状況では威力を発揮できない。加えて、大型の設備投資を断行すれば、減価償却費などの負担も増える。コロナの出口が見えない状況では入園者数の順調な拡大は見込めず、投資負担による長期の業績悪化が予想された。

溝口社長はスーパー遊園地構想について「大切な成長戦略。コロナの中でも計画の大枠は見直していない」としつつ「進行中の決算に大きな影響が出ているのも事実。ウィズコロナの事業環境がどうなるか先が見通せない。投資のスケジュールを見直す可能性がある」などと含みを持たせている。

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