よみうりランド、TOBで「巨人パーク」になれるか

ジャイアンツタウン構想は30年以上前から悲願

ただでさえ株価が低迷する中、長期の業績悪化はほかの株主から理解を得られない。だが、成長戦略は断行しなくてはならない。上場会社としての限界を迎えたことで、完全子会社化の選択肢が選ばれたのだろう。読売グループはコロナ以前から検討を始めていたが、コロナが判断を後押ししたわけだ。

読売新聞グループ本社の山口寿一社長(左)とよみうりランドの溝口烈社長(右)(記者撮影)

現在、具体的なシナジーとして見えているのは、遊園地の隣接地に開設される読売巨人軍の新たな2軍球場だ。物販や飲食などの商業施設も併設され、企画や運営をよみうりランドが全面的に担う。

一連の開発は読売巨人軍のホームタウン化を進める「ジャイアンツタウン構想」と呼ばれており、地域全体で集客を強化し、よみうりランドなどの施設も盛り上げる考えだ。

ジャイアンツの人気を生かせるか

実は、ジャイアンツタウン構想ははるか昔から存在する。1984年、当時の関根長三郎社長は室内練習場の建設にあたり「ゴルフ場、サッカー場、これに巨人が加わることによって、よみうりランドと読売グループの関係は一層密接に強化され、スポーツを中心としてよみうりランドが広く大衆に親しまれることを信じて疑わない(一部抜粋)」と語っていた。30年以上続く両社の悲願を、今度こそ達成するつもりなのだ。

ただし、新たな球場施設をいくら盛り上げたとしても、巨人軍との関連性が薄い遊園地のままでは、入園者数の増加に直結するとは考えにくい。実際、今回の公表資料にも「当社自身が保有する有力なコンテンツがなかった」との記載がある。より巨人軍を活用したコンテンツやイベントなど、何かしらのテーマを持たせることなどで、「遊園地の枠を超える」目標を達成しようとしているのではないだろうか。

読売グループと一体となった経営で遊園地の魅力を一段と引き上げ、既存客と新規客に「新生よみうりランド」をアピールできるだろうか。株式市場と株主の目は離れたが、今後を評価するのは、さらに厳しい顧客の目だ。

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