よみうりランド、TOBで「巨人パーク」になれるか ジャイアンツタウン構想は30年以上前から悲願
「何分にも長い関係がありまして、上場を維持した状態での関係強化はずっと取り込んできたこと。そこを踏み込んで一体化したい――」。読売新聞グループ本社の山口寿一社長は、よみうりランドに対するTOB(株式公開買い付け)の狙いを淡々と説明した。
読売新聞グループ本社は11月6日、よみうりランドの完全子会社化を目指しTOBを実施すると発表した。グループで同社株の33.8%を保有するが、完全子会社化によってグループのレジャー事業の中心に据え、よりシナジーを強める。足元の株価はTOB価格の6050円にサヤ寄せされており、このままいけばTOBは成立(12月21日まで)となる見通しだ。
昨年10月から読売新聞社内でシナジー強化についての検討が始まり、4月に完全子会社化の方針を固め、6月によみうりランドに取引に関する提案を行ったという。ただ、よみうりランドの上場は70年前の1950年。これだけ長期間上場し、協力関係にありながら、なぜ今TOB、完全子会社化に踏み切ったのか。
設立は1949年の老舗企業
よみうりランドはその名の通り、東京都稲城市にある遊園地「よみうりランド」に加え、「よみうりゴルフ倶楽部」などのゴルフ場、「よみうりランド丘の湯」といった温浴施設も運営している総合レジャー企業だ。
よみうりランドの前身である川崎競馬倶楽部の設立は1949年。「戦災復興」と「大衆に娯楽の提供を」という使命の下で誕生し、1950年に川崎競馬場を建設した。同年には船橋オートレース場(2016年閉鎖)も完成。1961年には「東京よみうりパブリックコース」(現よみうりゴルフ倶楽部)が開業している。
遊園地「よみうりランド」のオープンは東京五輪が開催された1964年。見晴らしの良い多摩丘陵に、海水水族館やスキーのジャンプ台などの施設を備えていた。その後もボウリング場やテニスガーデン、プールなど、さまざまな施設を運営してきた歴史がある。
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