岐路に立つグロソブ、修正を迫られるPIGS国債の大量保有
昨年来、高利回りを狙い、ギリシャはじめ南欧諸国(PIGS=ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)の国債を全運用資産の3割近くまで買い増したグローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)。が、財政危機でギリシャ国債の全額売却に追い込まれ、他のPIGS国債も徐々に売りに出始めている。基準価額は分配金再減額もありうる水準で、目が離せない。日本最大投信の昨年来の運用を振り返る。
17カ月連続の純流出、基準価額は6000円攻防
円高や解約増加などによって純資産の目減りが続く日本最大の投資信託グロソブ(毎月分配型)。ファンドの時価総額を示す純資産総額は3月9日現在、3兆8933億円で、過去最高水準だった2008年7月末の5兆7146億円から約32%目減りしたことになる。
また、新規設定から解約を引いた純設定額を見ると、08年10月以来、今年2月まで17カ月連続のマイナス、つまり流出超となっている(グラフ参照・リッパー・ジャパン社調べ)。純資産が減少した要因として、円高などのマーケット要因だけでなく、投資家の解約増加という需給要因も大きく働いたことがわかる。
そうは言っても、やはり大きいのはマーケット要因だ。1口当たりの時価(純資産)であり、運用成績を反映する基準価額(分配金控除後)は3月9日現在、6009円。リーマンショック直前の08年9月12日には7199円だったが、09年1月26日に最安値の5835円を付け、その後も6000円をはさむ底ばいが続いている。