岐路に立つグロソブ、修正を迫られるPIGS国債の大量保有

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 明らかなのは、グロソブは昨年前半から利回り追求型の投資スタンスを強めたということだ。

昨年2月末には全運用資産の14%だったPIGS国債の投資割合を12月にかけ30%近くまで高めたほか、同様に相対的高利回りの資源国の国債を大量に買い増している。オーストラリア、カナダ、ノルウェーなどだ。その分、利回りの低い日本や米国、ドイツ、フランスなどの国債を大幅にアンダーウエイトしている。そのシフトは鮮明だ。

その背景として考えられるのは、基準価額の下落であり、投資家への分配金原資の目減りだ。グロソブは09年1月19日、リーマンショック後の基準価額の下落などを理由に、毎月の分配金をそれまでの40円から35円(1万口当たり・課税前)へ引き下げた。分配金引き下げは01年1月(60円→40円)以来、8年ぶりのことだった。

分配金引き下げは当然、投資家の離散を招く。運用サイドに成績向上のプレッシャーがかかることは容易に想像できる。

それからわずか7カ月後の09年8月17日、グロソブは分配金を35円へ引き上げた。急激な円高などの混乱が落ち着いたことに加え、利回り向上を狙った運用戦略が奏功したという理由からだ。

ところが、タイミングが悪いというべきか、その後、そうした運用戦略は裏目に出る。いったん、6500円前後まで戻した基準価額は再び6000円割れまで突っ込んだ。現在はほぼ6000円ちょうどの水準だが、昨年1月に分配金を引き下げた当時の基準価額(6154円)を下回っている。

グロソブには分配可能原資(過去の売却益繰り越し分など)としてなお1200円以上あり、分配金を維持することは十分可能。ただ、分配可能原資はこのところ減少一途にあり、基準価額も6000円を割るとなるとさすがにイメージが悪くなる。その意味で、いつ再減配があっても不思議はない状況とも言える。

他のPIGS国債も徐々にウエート引き下げ

では今後、グロソブはどのような運用戦略を採っていくのか。

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