「株のバブル崩壊が近い」と言える4つの理由 バブル状態を「バブルだ」と言ってはダメなのか

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むしろ、衛生的にも経済的にも余裕のない貧困国、貧しい人々がワクチンを打たないと効果が薄いはずだ。したがって、ワクチンへの期待が大きすぎるために、実際にワクチンが利用可能になったときにそれほど効果がないことがわかり、失望が広がる。だから、ワクチンの希望で株価が上がるのはおかしいのだ。

しかし、株式市場の人々はそんなことはおかまいなしだ。あるビジネスニュースに登場していた専門家なども「ワクチンができるというニュースが出たこと自体が重要であり、その効果についての議論は関係ない」と、自信満々にコメントしていた。

彼らは確信犯なのだ。そして、将来のことは気にしない。今日の株価が上がればそれでいいのだ。それはそれで、彼らの「職業病」だから責める気は起きない。しかし、ということは「明日以降はいつ下がってもおかしくない」という事実が残る。

これから垂れ込める「3つの黒雲」

このように、第1の黒雲は、ワクチンのニュースだ。そして、それに飛びつき、確信犯的に相場を盛り上げる市場関係者だ。

黒雲はまだまだある。第2の黒雲は、アメリカの大統領選挙の開票速報に対応した株価の上げ方だ。どんなニュースが出ても、株価は上がった。いや、強引に上げた。これはバブルそのものだ。

そもそも、選挙投票直前は「大統領も上院も下院も、すべて民主党が制す。いわゆる『トリプルブルー』で、ねじれが解消され、政策が一気に動く、ということで株価は上げていた。

ところが「ドナルド・トランプ大統領がまさかの優勢か?」となったら、今度は「トランプなら株式市場にはプラスだ」などと言い出して上げた。結局、トランプは事前予想通り郵便投票が出てくると失速したが、今度は「上院が共和党になりそうだ」というニュースに飛びついた。

市場は「これで民主党の思い通りにはならない。富裕層への増税、金融課税強化はない」と勝手に解釈して、株価はまた上げた。そして、事実上次期大統領がジョー・バイデン候補に決まると、株価はさらに上げた。

要は、大統領選挙は関係ないのだ。ただ、株価を上げたいだけなのだ。そして情勢が二転三転すると、それを利用して「別々の上げる理由」として取り上げ、とことん株価を上げた。これは、バブル以外の何物でもない。まさに、欲望の自己実現だ。

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