妻が「家事をしない夫」と本気で離婚を考える訳 「男の家事」番組の急増にみる女性の強烈な怒り
実際、前述した「家事ヤロウ!!!」は通常水曜23時台に放送されている番組ですが、今年3月と8月にゴールデンタイムで3時間SPを放送しました。この二度にわたる大型特番こそ、ニーズの高まりを象徴しているものだったのです。
また、コロナ禍で在宅時間が増えたことも、男の家事を後押ししました。とりわけ緊急事態宣言の発令時には、ふだんほぼ家事をしない売れっ子の男性芸能人たちが家事に挑み、SNSやYouTubeにアップするケースが続出。長続きするかはさておき、これらを見て「自分もやってみよう」とする一般男性が増えたのは間違いありません。
女性たちの癒しと不満のガス抜き
一方、男の家事を扱う番組を女性目線で見たとき、男性芸能人たちが家事をする姿は癒しを感じるとともに、妻が夫に抱える不満のガス抜きにもなっているようです。
たとえば、「極主夫道」では玉木宏さん、「家事ヤロウ!!!」では中丸雄一さん、「パパジャニWEST」ではジャニーズWESTと、番組の中で家事をしているのはイケメン芸能人が圧倒的に多数派。「イケメンに家事をしてもらいたい」という潜在願望に応えるとともに、日々の疲れを癒し、不満を忘れさせています。
また、夫婦でこれらの番組を見ることも、妻たちにとってはかなり意義のあること。一緒に見ることで妻から夫に「あなたも同じように家事をやってほしい」、あるいは「なぜこのように家事をしないのか」というメッセージを送る意味合いもあるのです。
さらに、「視聴率を獲得するために女性視聴者を最重要視している」というテレビ局サイドの事情も見逃せません。イケメン芸能人たちが家事をする姿で女性視聴者を癒せるほか、現実的な家事負担の軽減に貢献できる番組を放送しているのです。
つまり、「家にいる時間が増えた」「家事をやってみようかな」男性、「夫に家事をやらせたい」「家事をやる男性を見て癒されたい」女性、「商品を売りたい」各メーカー、「視聴率を取りたい」テレビ局。いずれにとっても“男の家事”の需要が増していることがわかるでしょう。
次に、「なぜ妻たちの家事をしない夫への怒りが増幅しているのか」を掘り下げていきましょう。
これはコンサルである私のもとに寄せられた相談を聞く限り、「積もりに積もったこれまでの不満が爆発した」としか思えず、「我慢の限界に達した」という人が多いだけであって、「急に怒りが増幅した」というわけではないでしょう。
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