妻が「家事をしない夫」と本気で離婚を考える訳 「男の家事」番組の急増にみる女性の強烈な怒り

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近年、ワンオペ育児に対する女性の怒りがあちらこちらで報じられるようになり、そのたびに共感の声が集まっていました。しかし、さほど状況が好転することはなく、女性たちの怒りはくすぶったまま。そんな一触即発の状態が続く中、今春、まさかのコロナ禍に見舞われたのです。

リモートワーク、自宅待機、外出自粛などで、男性たちが自宅にいる時間が一気に増えました。そんな同居男性を見た女性たちは、「私が家事をしている様子を以前より見ているはずだから、自分から『やる』と言ってほしい」「通勤時間がなくなって空いた時間で家事ができるはず」「男性芸能人ですらやっているのだから、ウチの夫もできるだろう」という気持ちを抱くものです。しかし、それらの思いが叶わないことが、怒りの増幅につながっていきました。

下記にある相談者さんのケースをあげてみましょう。

Aさん(30代前半女性)は、夫(30代後半男性)の勤務体制が変わったことをきっかけに不満を抑えきれなくなっていました。
Aさんはこれまでと変わらず「週4~5日出勤」している一方、夫は「出勤は週1回のみで、それ以外は自宅でテレワーク」に変更。しかし、夫は家事をするどころか、部屋を散らかし、キッチンも使いっ放しなど、妻の負担を増やしています。
Aさんが家事の分担を訴えても改善することはなく、むしろ「テレワークでも忙しい」と取り合おうとしません。あきらめずに「せめて風呂の準備やゴミ捨てくらいはやってほしい」と言っても、わずかに二度やっただけで終了。そんな生活が半年近く続いたことでAさんは真剣に離婚を考えるようになり、コンサルタントの私に相談を持ちかけました。

このように「家にいる時間が増えただけで何もやらない」「仕事をしているフリをして家事を避けているが、パソコンやスマホで遊んでいるだけ」「ほんの少しやっただけで恩着せがましいことを言われる」という男性が多いというのが現実。なかには、「自分はやらないのに、女性の家事に注文をつける」というひどい男性もいるだけに、女性たちの怒りが爆発しても不思議ではないのです。

男たちはルーティーンの変更が嫌い

では、家事をやらない男性たちにどう対処すればいいのでしょうか。相談者さんのケースを2つあげてみましょう。

夫婦共働きのBさん(30代後半女性)は、朝6時に起きて洗濯をしてから仕事に行き、夜7時すぎに買い物をしてから帰ってきて、それから料理して、食べ終わったら片付けして、仕事が休みの日にも掃除して……という毎日。
「帰ってからも仕事がある」「疲れていて体調がよくない」「何でもいいから適当にやっておいて」「俺がやっても下手で気に入らないだろ?」などと言い訳ばかりで週2回のゴミ出しくらいしかしない夫(40代前半男性)を見て、「これなら結婚しなければよかった」「離婚するなら子どものいない今かもしれない」と思うようになりました。
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