「すき家」「和民」問題の向こうに見えるもの 外食の人手不足が暗示する、日本の将来

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中野 でも、就職人気ランキングなどを見ていると、どうも多くの学生は普通のオフィスワーカーを目指しているとしか思えないんですよね。

渋澤 それは、就職をしようとしている子供の親の価値観が、そこにあるからでしょう。我が子には安定した生活をしてもらいたい。そうなると、自然のうちに普通のオフィスワーカーが良いということになるのだと思います。

個人投資家にコツコツ投資を説く「草食投資隊」の地道な活動が、いま実り始めている(セゾン投信社長中野晴啓さん(左)、コモンズ投信会長渋澤健さん(中)、レオス・キャピタルワークスCIO藤野英人さん(右)

藤野 グローバル化、インターネット化が大きく進んだ現代社会ですが、ドメスティックだからこそできる仕事というのも、実際にはあるんですよね。たとえば、アマゾンで買われるモノの数が3倍になれば、それを運ぶ人も3倍必要になります。運送会社なんて、まさにその典型ですし、そこには大きなビジネスチャンスが眠っているはずです。

中野 それにしても、この人手不足を解消するには、どうすれば良いのでしょう。移民の受け入れは、もう否定できないところまで来ているように思えます。

藤野 ただ、日本人の中には偏狭な人もたくさんいて、移民が増えると大きな衝突につながると思います。なし崩し的に移民を受け入れざるを得なくなるとは思いますが、さまざまな軋轢を生むでしょう。

中野よく言われることではありますが、女性がもっと外で働ける環境を整えていくことも大事ですね。

草食投資隊 渋澤 健、中野晴啓、藤野英人

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そうしょくとうしたい

コモンズ投信会長・渋澤 健、セゾン投信社長・中野晴啓、レオス・キャピタルワークス社長CIOの藤野英人の3氏で結成。根底には、「長期投資を根づかせたい」という3人の熱い思いがある。「草食投資隊」という名前は、投資=肉食系というイメージが一見つきまとうが、本質は違うのではないか、という3人の共通の考えによる。

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