日本がデータ活用大国になるための3つの視点

デジタル庁設立をデータ活用の起爆剤とせよ

日本は、DFFTの提唱によって外交的なリーダーシップを追求したが、データの活用についての足元はどうであろうか。日本では、2016年に議員立法によって官民データ利活用を主眼とした「官民データ活用促進基本法」が施行された。それにより、日本の政府のオープン・データの取り組みは、当初はOECDのランキング下位から出発し、現在では上位(2019年4位)まで躍進した。

透明性を確保するために中央政府の統計データなどを公開する取り組みは進んできた一方で、今回のコロナ対策では自治体との連携や、保有するデータの活用ができていないことが明白になった。コロナ対策の顔ともなったクラスター対策班は、感染症データの分析という本業に取り掛かる前に、各所に分散したデータを手作業で打ち込んで整理するところから始めなくてはならなかったし、また6月頃から本格導入された政府の感染者管理システムHER-SYSに入力する発生届は医療機関から保健所にFAXで届いていた。

デジタル庁をデータ駆動型社会の司令塔に

政府に期待される役割、デジタル庁に期待される役割とは何だろうか。

第1に、国内におけるデータ利活用の基盤となるルールづくりと、官民・中央・地方の垣根を越えて全国津々浦々までデータ活用を可能にするためのデータ連携基盤(レジストリ・ID基盤などを含む)の整備である。例えば、コロナ禍でその重要性が再認識された医療データ。慶應義塾大学の宮田裕章教授は「データ共同利用権」を提唱している。

これはデータを持つ本人の同意だけによらず、相当な公共性がある場合には、パーソナル・データであっても公共的に利用することを定めるものだ。医療や防災など緊急事態を含めて、官民双方データについて、活用されることで公共に資する場面においては、政府が使えるような仕組みを整備していくのが望ましい。

また、中央政府を超えて都道府県、さらにその先の基礎自治体が所管する保健所のような主体までデジタル化してデータのやり取りができるようになること、その利活用を阻む地域ごとの個人情報条例などを見直していくことだ。省庁間・地域間・官民。ここでも成功のキーワードは「縦割りを排す」ことである以上、デジタル庁がしっかりとした国内のリーダーシップをとっていくことが重要だ。

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