「セレブ婚」を夢見るアラフォー女性の勘違い 都内一等地に戸建てを買わないなら「お断り」

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その話以降、里美の態度が急に冷たくなったのだという。そして、それから1週間後に、里美の相談室から、「婚約は解消したい」という連絡が入ってきた。その理由は、こうだった。

「結婚に向けての話を細かくしていくうちに、価値観が合わない感じがして、今後結婚してもうまくいかないと思った」

“価値観が合わない”というのは、婚活で相手をお断りするときにいちばん使われる、体のいい常套句だ。そもそも価値観がぴったり合う人間なんてこの世には存在しないし、譲歩したり受け入れたりしながら、夫婦は生活をしているのだ。

ともあれ、気持ちが変わったしまった女性が、もう一度結婚に前向きになるとは思えない。

「残念ですが、仕方ないですね」

聡は、この婚約破棄を受け入れた。

しかし、仲人としてはこの話は壊れてよかったと思っている。そもそも家賃と光熱費を男性に支払わせ、さらに家計に25万円出させる。そして、自分が入れるのはたったの5万円。家計を30万円にして、そのうち20万円を貯金するというのは、誰がどう考えても、おかしな話ではないか。

今の日本で、セレブ生活をしている女性は何人いるのか

今や女性も男性と肩を並べて仕事をしたり、キャリアアップをはかったりできる時代になった。“育メン”という言葉が生まれ、男性も育児休暇が取れるようになった。家事や育児をどちらかが多く負担するのではなく、フィフティー・フィフティーで分担している夫婦も増えつつある。

しかしそんな中でも、結婚したら男性の稼ぎをあてにし、リッチにゴージャスに暮らしていきたいと願う“セレブ婚”に憧れている女性たちが存在していることも確かだ。

しかし、冒頭でも記したが、1000万円以上稼いている男性は、全体の8%にも満たない。これは男性既婚者も含まれている数字で、独身者はもっと少ない。その層を狙いにいく30代、40代の女性たちに、勝算はあるのか。

さらに最後に記しておく。男性が1000万円稼いでいたとしても、税金や保険料の高い日本では、思い描いているようなゴージャスリッチな生活はできるはずもないのだ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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