新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が始まって約9カ月が過ぎた。いまなお多くの国で外国人の入国が制限されており、海外旅行は事実上不可能な状態が続いている。
祭り(フェスタ)や音楽ライブも中止が相次ぎ、スポーツイベントやレジャー施設なども入場者数を大幅に制限、街中の飲食店も営業時間が大幅に短縮されるなど、人々は巣ごもりを余儀なくされている。
もう限界だ、外に出て遊びたい。発散したい、気分転換したい。しかし、うかつに出歩けば感染のリスクは高まる。だったら人と接しなければよい、自然のなかなら3密ではない……というわけで、人々の目はアウトドアに向いている。
アウトドア・レジャーの盛んなアメリカ
東洋経済では『米国会社四季報』を年2回刊行している。最新刊となる2020年秋冬号がこのほど発売となった。今回は、アウトドア市場に関わる企業をいくつか紹介していきたい。
国土の広いアメリカはそもそもアウトドア・レジャーが盛んな国で、やや古いデータだが、2017年のアウトドア・レジャーに関連する消費総額は8870億ドル(約93兆円)にも達している。2018年には、人口のほぼ半数にあたる約1億5180万人が、少なくとも1回は何らかの野外活動を行ったことが報告されている。
こうした土壌があることもあり、コロナ禍でアウトドア・レジャーに人々の視線が向かったといえる。
調査会社NPDグループが8月に発表した主要な5つのアウトドア活動に関してのレポートによると、アメリカ内でのキャンプ用品の6月の売上高は昨年6月と比べ31%増加し、6億500万ドルに達した。外出が禁止されていた期間中、多くの人が自宅の庭などでテントを張って、キャンプを楽しんだことなどが要因だとしている。
アウトドア・レジャーの市場規模が大きなアメリカでは、関連する企業の顔ぶれも多彩だ。
少し前、日本で山登りやハイキングを楽しむ若い女性が増え、彼女たちを称する「山ガール」というワードが世の中に拡散した。見た目のファッションや持ち物から入る人が増え、アウトドア系のアパレルアイテムやフットウェアが注目されたことは記憶に新しい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら