キャンプ用品「コロナ禍で絶好調」を生んだ土壌 「コロナに負けない」アメリカのアウトドア企業

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もっとも、最近では日本でもキャンピングカーの人気が高まり、街中で見かけることも増えてきた。しかし、道路事情や駐車スペースなどが整備されていないという現状もあり、どこまで広まるかは未知数だ。

日本でキャンピングカーというと、ベッドやキッチンなどの居住スペースを持った自動車がイメージされるが、アメリカでは居住スペースを持ったトレーラーのほうが一般的だ。ピックアップトラックなどの自動車でトレーラーを牽引して移動し、目的地に着いたらトレーラーを設置して数日間滞在するというやり方だ。

キャンピングカーを製造する企業

アメリカでは、キャンピングカーを専門とする上場企業が存在する。その1つ、ソア・インダストリーズ(THO)は1980年に誕生したRV(レクレーショナル・ビークル)メーカーで、M&Aを重ねながら規模と業容を拡大し、現在に至っている。

ホワイトハウスでアメリカ製品の「エアストリーム」をアピールするトランプ大統領(写真:Abaca/アフロ)

同社は北米のほか欧州でも事業展開を行っており、売上高は北米が3分の2、欧州が3分の1という割合になっている。牽引タイプ、自動車タイプの両方を合わせて17ブランドを展開しており、「エアストリーム」はその代表的な存在だ。2020年1~6月の北米市場(アメリカとカナダ)での販売シェアは、牽引タイプが43.7%、自動車タイプが38.5%を占める。

ウィネベーゴ・インダストリーズ(WGO)も、キャンピングカーを製造するメーカーで、こちらも牽引タイプ、自動車タイプの両方を製造している。2019年1~12月の北米市場での販売シェアは、牽引タイプが9.3%、自動車タイプが16.1%となっている。とくに牽引タイプのシェアは2017年が6.1%、2018年が7.8%と着実にシェアを拡大してきている。直近2020年6~8月期の業績も、売上高が前年同期比39.1%増、純利益が同33.2%増と好調だ。

新型コロナウイルス感染拡大により、音楽やカルチャー、フィットネス、旅行などレジャーの分野でもオンラインを活用した新しいビジネスが続々誕生している。こうした状況下においては、逆にアウトドアの魅力や価値は高まるはずだ。自然志向や環境への関心も高まっていることから、期待度の高い分野の1つといえる。

(注)本稿で紹介の企業のうち、一部は『米国会社四季報』非掲載

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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