6月4日、ある新規上場(IPO)企業の株価に関心が集まった。
その企業の名はズームインフォ・テクノロジー(ティッカー:ZI)。営業やマーケティング向けに、見込み客のデータベースや分析、アプローチ提案などのビジネスプラットフォームを提供している。
なぜ、この企業の株価が注目されたのか。それは、コロナ禍で利用者数が激増したビデオ会議システム「Zoom」を展開しているズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)と社名が似ていたから、だけではない。
新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るう中、在宅ワークが広がったことで、あらゆるデバイスから活用できるクラウドサービスのニーズが高まってきたためだ。
クラウド関連の株価はビフォーコロナ超え
ズームインフォの株価は上場初日、公募価格21ドルの約2倍にあたる40ドルで取引が始まり、終値も34ドルと62%上回って引けた。調達資金は9億3500万ドル(約1019億円)だった。
ブルームバーグのまとめによると、同社と同規模かそれ以上の規模の企業では、ここ10年で取引初日に最も株価が上昇したIPOだという。その後も株価は堅調に推移しており、6月12日の終値は51.22ドルとなっている。
アメリカの株式市場は、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から2月から3月にかけて急落。だが3月中旬を底に、その後は外出制限や店舗の営業停止などが続く中でも回復基調を示してきた。
6月9日にはナスダック総合指数がコロナ暴落前の水準を回復し、過去最高値を更新。翌10日には1万の大台を突破してみせた。ただ11日には急落し、不安定な地合いが続いていることも露呈した。
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