こうした業容の拡大は株価にも表れている。昨年末と直近6月12日の株価を比較してみると、主要企業の指標であるS&P500指数は▲5.9%と昨年末の水準を下回っている。これに対し、主要なクラウド企業の株価は騰落率に差はみられるものの、ほとんどが上昇している。
半年で株価が2〜3倍増の銘柄も
昨年末の株価との比較で3.2倍となったズーム・ビデオを筆頭に、ゼットスケーラー(ZS)が2.2倍、データドッグやドキュサイン(DOCU)も2倍を超えている。
ゼットスケーラーは、クラウドやモバイル向けにセキュリティプラットフォームを提供。100%クラウドベースで提供しており、ユーザーがどこにいても、どのデバイスからアクセスしても、安全に接続できるという点が売りだ。
在宅ワークなどの増加を背景に、同社の主要なサービスの1つである「Zscaler Private Accessソリューション」のトラフィックは2月以降、それまでの10倍に増加したことが明らかになっている。
また、ドキュサインは電子署名技術の先駆者で、クラウド活用で展開する同社のアプリケーションは350以上のビジネスアプリに対応。それらのアプリに組み込むことによって、準備から署名、管理まで、契約にかかわるプロセスを自動化・効率化できると謳っている。2020年4月末時点の顧客数は66万件で、前年の50万件から32%増加した。
6月に入り、日本でも欧米でも、新型コロナに絡んだ各種の規制が緩和され、経済活動を復活させる動きが活発になってきた。一方で、こうした国や都市では感染者数が再び増加に転じたところもあり、第2波の懸念も高まっている。
こうした不安定な環境は当分続くことが予想される。コロナ禍を機に、業務のあり方や進め方、働き方などを大きく変えようという企業も少なくないはずだ。クラウドやDX関連企業が展開するビジネスへのニーズは、しばらく衰えることはないだろう。
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