アドビに限らず、多くのクラウド企業がこのコロナ禍の中にあって売上高を大きく伸ばしている。前述のBVP Nasdaq Emerging Cloud指数の採用銘柄52社全社が、直近四半期の売上高が前年同期比で10%以上増加している。そのうちの代表的な企業を表に示した。
売上高の伸びが最も大きいのはズーム・ビデオ・コミュニケーションズで、前年比2.7倍と驚異的な伸びを示した。いうまでもなく、ビデオ会議システムの需要が大幅に増えたことが要因。利用社数は約26万5400社(従業員10名以上の企業)と、前年同期の4.5倍になったことを公表している。
Zoomだけじゃない高成長クラウド銘柄
売上高の増加率が87.4%とズーム・ビデオに次いで高かったのが、データドッグ(DDOG)。2019年9月に上場した新興企業だ。
クラウドの開発者やIT運用チーム向けに、インフラやアプリケーションのパフォーマンスの管理、ログ管理など、一貫した監視・分析プラットフォームを提供している。2020年3月末時点のARR(年間売り上げ)10万ドル以上の大口顧客数は960件で、前年の508件から89%増加したことが寄与した。
スマートシート(SMAR)は、企業向けに予算管理や福利厚生、営業支援、マーケティング、WEBサイト管理、レポート作成など、さまざまな業務の効率化を支援するソフトウェアを提供している。シンプルな操作性が特徴で、2020年1月末時点での顧客数は8万4000件に達している。
また、同年4月末時点では、年間契約額5万ドル以上の顧客が1040件で前年同期比倍増(101%増)、同10万ドル以上の顧客も391件と同じく倍増(107%増)。顧客の平均契約額は3866ドルと、前年同期比で45%増加している。
ビジネス向けのコミュニケーションプラットフォームを提供しているスラック・テクノロジーズ(WORK)は、在宅ワークの増加という追い風もあり、2020年4月末時点の有料顧客数は12万2000件と、同28%増加した。とくに年間支払額100万ドル以上の顧客数は963件と、前年同期の645件から49%増加している。
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