下のグラフは、今年に入ってからのアメリカ市場の主要な指標の推移を示したものだ。その中でひときわ上昇が目立っているのが、クラウドやDX(デジタル・トランスフォーメーション)に関連した企業をパッケージにしたBVP Nasdaq Emerging Cloud指数の動きである。
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その動きを追ってみると、2月から3月にかけての急落時には、市場全体とほぼ同じ下落を見せている。しかし、回復が早かった。4月以降は主要指標とは明らかに回復のカーブが異なっており、5月初旬にはすでにコロナ前の水準に到達し、さらに上昇を続けてきたことがわかる。
ソフトウェアを提供する企業ではオンラインによるサービスが主流となり、すでにクラウド化が進んでいた。ただ、ここにきて新型コロナによって在宅ワークが広がったことで、需要が一気に膨張。これが、こうした企業群の株価が他と比較して目覚ましく回復している要因だ。
このタイミングでのIPOとなった冒頭のズームインフォは、こうした追い風を受けた格好だ。
売上高2ケタ増は当たり前
6月11日にアドビシステムズ(ADBE)が発表した2020年3~5月期決算では、売上高は31億2800万ドルで前年同期比14.0%増加。純利益は税の戻し益の計上もあって同73.8%増加した。
同社の製品には、描画アプリ「Illustrator」や画像レタッチアプリ「Photoshop」、PDF文書の読み書きアプリ「Acrobat」シリーズなどクリエイターやビジネスパーソンにはなじみのあるソフトウェアが多いが、ほとんどがオンラインによるサブスクリプション(定額課金)方式で提供されている。業績は好調で、四半期ベースでの売上高は一貫して右肩上がりで増加している。
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