ついに今晩「米大統領選の仕組み」を5分で理解

意外と知らない「基本のキ」を押さえよう

④選挙人は各州に人口比に応じて配分される。それぞれの州の選挙人の数は、州選出の下院議員(人口に応じて配分)と上院議員(全州2人ずつ)の数の合計に等しい。

大きな州は、カリフォルニア州(55人)、テキサス州(38人)、フロリダ州(29人)、ニューヨーク州(29人)の選挙人を持つが、人口の少ないアラスカ、デラウェア、モンタナ、ノースダコタ、サウスダコタ、ヴァーモント、ワイオミングの7州とワシントンDCはそれぞれ3人しかいない。

こうした独特な選挙制度のため、ある候補者が全米の得票総数で1位になっても、選挙戦では負けるということが起きうる。

実際、2016年大統領選では、民主党ヒラリー・クリントンが全米で286万票の差でトランプを制したが、選挙人の数では232人しか集められず、306人を集めたトランプに敗れた。

同様に2000年大統領選でも民主党アル・ゴアが全米の得票総数で約54万票多く集めたが、選挙人数は267人にとどまり、271人を集めた共和党候補ブッシュ(子)に敗れた(ここでも「不実な選挙人」が出た結果、正式な記録はブッシュ271人、ゴア266人)。こうして「重要州」が生まれる。

カリフォルニア州は選挙結果が見えている

カリフォルニア州で勝てば55人の選挙人を総取りできるが、アラスカ州やワイオミング州で勝っても3人ずつしか得られない。

そのため候補者の動向も、メディアの報道ぶりも、小さな州にはほとんど向いていないのが実情だ。米メディアの集計によると、2016年大統領選では、アイダホ、ワイオミング、ハワイ、アラスカの計4州には、民主党、共和党いずれの候補も一度も訪問しなかったという。

とは言え、選挙報道を担当する記者がカリフォルニア州に足を運ぶことは少ない。それは、カリフォルニア州の選挙結果が最初から見えているからだ。リベラルな傾向の強いカリフォルニア州では1992年以来、民主党候補が勝利を重ねてきただけでなく、得票率も順調に伸ばしている。

2016年大統領選では、全米では負けたクリントンが61%超を得票し、31%のトランプに圧勝した。こうした傾向は選挙戦の前から明らかなので、カリフォルニア州では両党とも本腰を入れた選挙運動を展開しない。

資金にも時間にも限りがあるので、民主党候補は「カリフォルニア州は勝てるので、別の接戦州に資金と時間を費やそう」と、共和党候補は「勝ち目はないのでカリフォルニア州は捨て、勝ち目のある別の接戦州を回ろう」と判断することになる。

これはニューヨーク州にも当てはまる。やはりリベラル色が強く、民主党候補の勝利がほぼ決まっているからだ。民主党候補は1988年以来、ほぼ一貫して6割前後を得票して負け知らず。2016年大統領選では、共和党候補がニューヨーク出身のトランプだったが、クリントンが58%を得票した。

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