忙しすぎる人が知らない「何もしない」の作法 携帯の電源を切ったり無視するだけでは不十分

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ただ何もせず座っているだけで心をリセットできる方法を紹介します(写真:asaya/PIXTA) 
瞑想やマインドフルネスというものにとっつきにくさを感じていたり、スピリチュアルなイメージから敬遠しがちな人もいるのではないでしょうか。
しかし、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏がたびたび推薦するマインドフルネスの入門書の邦訳版『頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる』では、手軽で日常に取り入れやすい、実践的な心のエクササイズを紹介しています。
本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

「何もしない」ことを体験してみる

あなたが最後に、テレビにも音楽にも本にも雑誌にも、食べ物にも飲み物にも、電話にもパソコンにも、友だちにも家族にもいっさい邪魔されたり気をとられたりせず、考えなくてはならないことも答えを出さなくてはならないこともなく、ただじっと座っていたのはいつのことですか?

これまで瞑想(やそれに似たもの)に目を向けたことがなければ、たぶん一度もないのではないでしょうか。なぜなら、私たちはたとえベッドに横になっているときでも、たいてい何かを考えているからです。

だから多くの人にとって、いっさい何もしないというのは、よくて退屈、悪ければ実におそろしいことに思えるのです。私たちは始終何かをすることに忙しくて、ただじっと心を休めることの意味を顧みることさえありません。私たちは「何かをする」ことに取りつかれていて、そこには「考える」ことも含まれます。だから、最初は何もしないでじっと座っていることに少々居心地の悪さを感じたとしても不思議はありません。

エクササイズ1:何もしない

今すぐやってみましょう。今座っている場所から動かず、本を閉じて膝の上に置きます。座り方にとくに指定はありません。軽く目を閉じ、1、2分そのままでいます。いろいろな考えが頭に浮かんできてもかまいません。今の段階では浮かんでは消えるにまかせ、たとえ 1、2分でも、何もせずにじっと座っているのがどんな感じか体験してみましょう。

何もしないでいるのはどうでしたか? とてもリラックスできたのではないでしょうか。あるいは「何もしないエクササイズなんておかしい、何かしたい」と感じたでしょうか。何かに集中したい、意識を向ける対象がほしいと感じたかもしれませんが、心配はいりません。これはテストではないし、次の章で瞑想を実践するときには、意識を向けなければならないことはたくさんあります。

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