忙しすぎる人が知らない「何もしない」の作法 携帯の電源を切ったり無視するだけでは不十分

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ただし、あくまで軽く、ゆったりとです。何かの考えが浮かんだり、別の五感に気をとられたら、もう一度集中する対象に意識を戻して続けてください。

どうでしたか? 簡単に集中を保てたでしょうか。それとも何度も別の考えが浮かんで気がそれてしまったでしょうか。気がそれるまでにどれくらいの時間がかかりましたか。ひょっとすると、ぼんやりした意識を保ちつつ、同時に別のことを考えることができたという人もいるかもしれません。

信じられないかもしれませんが、 1分間、対象への集中を保てれば大したものです。これを聞いてずいぶん心配になる人もいるかもしれません。仕事や子どもの世話では、あるいは友だちの話を聞いたり、車の運転をしているときには、もっとずっと長い時間集中しなければならないのですから。

あるがままに生きる道を見つける

私たちが心の中で起きていることから目をそらす手段がまだ足りないように、現代社会には携帯電話につながった電子メールやソーシャルメディアがあります。私たちはまさに24時間休みなく気をそらされ続けています。

それらはたしかに便利かもしれませんが、私たちは今や、ほんの少しでも退屈を感じた瞬間にオンラインに接続して頭をいっぱいにしてしまいます。ちょっと考えてみてください。あなたが朝起きて一番にすることはなんですか?

メールをチェックすることでしょうか。フェイスブックでメッセージを送ったり、友だちや同僚とツイッターでやりとりすることでしょうか。夜寝る前に最後にすることは? 調査が正しいとすれば、あなたが1日の初めと終わりのどちらかに、これらのうち少なくともどれか1つをしている可能性はかなり高いでしょう。全部しているという人もいるかもしれません。常時接続状態にある人がスイッチを切るのは簡単なことではありません。

私の知りあいのほぼ全員が、毎日のデータの洪水に溺れそうな気がすると言っています。かつて僧として生きていた当時の私なら、「電源を切って使わなければいい」と言っていたでしょう。でも、下界に戻ってきた今では、私自身もこれらすべてを仕事に使っています。ただスイッチを切ったり無視すればすむ問題でないのはわかっています。

だから、やめたり変えたりしようとする代わりに、それらに溺れず、上手に付き合う方法を知る必要があります。

そのためには、心のトレーニングの基本原則に立ち返る必要があります。マインドフルネスでは何も変える必要はありません。自分自身の心をより意識するようになるにつれ、外の生活で何かを変えようと思うこともあるかもしれませんが、それはすべてあなた次第です。何かを諦める必要はないし、ライフスタイルを大きく変える必要もありません。そういう極端な変化を維持するのは難しいからです。

実はマインドフルネスを取り入れたライフスタイルを実践しやすい理由もここにあります。あなたがそうしたいなら、今までとまったく同じ生活を続けてかまいません。

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