大阪信金流「産学連携」術、社員を大学に常駐させ“扇の要”に

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大阪府大では対応しきれない場合は、大信が提携している大阪府立産業技術総合研究所といった研究機関や、大阪府大の研究陣が他大学への紹介を行う場合もある。

窓口である「だいしん産学連携共創機構」にこれまで相談を寄せてきた企業は414社。技術相談や共同研究の打診など、毎月20件以上が新たに寄せられている。 

 

日本で「産学連携」が謳(うた)われるようになったのは1980年代半ばから。その後も経済産業省や文部科学省が中心となって支援策を打ち出し、96年に閣議決定された「科学技術基本計画」で産学連携の環境が整い始めた。だが実際には、ほんの付き合い程度にとどまるケースが多く、成果が上がったとしても大企業中心で、中小企業は蚊帳の外というのが現実だった。

産学連携を扱った08年度版『中小企業白書』には、そんな中小企業の不満が吐露されている。「産学官連携における問題点」を尋ねたアンケートでは、「自社の人手不足」(21.9%)の次に「連携すべき機関の情報が入手できない」(19.1%)、「大学の敷居が高い」(5.1%)といった声が上位を占めた。

さらに09年度版の同白書では、新規事業に対し資金供給する金融機関の“目利き能力”について、41.2%が「(能力は)10年前と変わらない」と回答。金融機関に対しても厳しい目を向けており、取引企業の技術に対する理解度に満足していない現状が浮かび上がる。

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