米国の難関大の学生が親に学費を頼らないワケ 大学からは自力でいく、という考えが根強い

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スポーツ選手で言うと、いちばんの有名人としてはゴルフのタイガー・ウッズとトム・ワトソン、ミッシェル・ウィー、テニスのジョン・マッケンローがいます。ほかにも、ベースボール、バスケットボール、アメリカンフットボールのメジャーリーガーも輩出しています。

しかし、奨学金は、音楽や数学など特殊な才能にも与えられています。また地域の高校生にも、アートや学業のフェローシップをスタンフォードが出しています。特にマイノリティ・ダイバーシティへの支援は盛んです。

スタンフォードは寄付金集めに力を入れ、奨学金や助成金に充当する財源をしっかりと確保しています。名門大学の学生は豊かな家庭の出身者が多い──これは日本もアメリカも同様ですが、それではお金持ちのお坊ちゃん、お嬢ちゃんの集まりになってしまいます。

多様性がなくなればいずれ学生の質、すなわち大学の質は落ちてしまい、イノベーションが生まれなくなれば大学としての地位は保てません。つまり、優秀な学生を集めることは、大学にとって未来への投資なのです。

親の学費負担の免除も

この投資を続けてきたからこそ、スタンフォードは32人のノーベル賞受賞者と4人のピューリッツァ賞受賞者、そしてヒューレット・パッカード、サン・マイクロシステムズ、グーグル、ヤフーなどの創始者を輩出できているのです。

多くの学生に学びの機会を与える──そんな考えもあったのでしょう。スタンフォードは2019年度の学部入学生から、「年収12万5000ドル以下の家庭であれば親の学費負担を免除する」と決定しました。

ただし、「親の学費負担」というのがポイントで、学生自身は年間5000ドルを自分で負担するよう奨励されています。大学はこれに関して「借金は望ましくない」としており、多くの学生は自分の力で民間や国の奨学金を別途獲得したり、あるいは長い夏休みに働いて稼ぐのです。

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