政権担当能力ない福田政権、早急に力を蓄える必要ある小沢民主
福田首相との大連立の話が幻に終わった後、小沢民主党代表は記者会見で、連立を目指した理由の一つとして、「力量不足で、政権担当能力にも疑問あり」と語った。どういう意味かと聞かれた小沢代表は、「みんないつもそう書いているでしょ」とだけ述べ、政権担当能力の中身、民主党に何が欠けているかという点には直接答えなかった。
約4カ月後のいま、福田政権は迷走を続け、「3月危機説」が現実味を増しているが、危機を招いている要因は、一言で言えば政権担当能力への疑問である。政権担当能力は、「万年与党」の自民党は○で、結党からずっと野党の民主党は×と見ている人は多い。
だが、年金記録問題や防衛省汚職に加えて、今度のイージス艦事故での失態などを見れば、「万年与党」だから○という機械的な判断が間違いであることは誰にでもわかる。
政治学者の故高坂正尭元京大教授は著書『宰相吉田茂』で、「政府とは、国の内外における安全を保障し、時代の要請する課題に直面して、それを解決するためのイニシアティブをとり、必要な措置を要請する存在である。それは昔も今も、民主主義の下であろうがなかろうが変ることのない真理」と書いている。
それだけでは政権担当能力は十分ではないが、必要条件のこの点を欠いていれば、政権担当能力なしと判定されるだろう。この基準からすると、福田政権は失格だ。
一方の民主党は、大連立に参加して政権担当能力の修得をというのが小沢代表の発想だが、それよりも、「安全保障と、時代が要請する課題解決のためのイニシアティブを取り、必要な措置を要請する」にはいま何が必要か、真剣に議論し、そのための実力を早急に蓄えることが第一条件ではないか。
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