ゴルフ場に若者激増、突如吹いた追い風の正体

仲間や家族と楽しむ人が増えている

日本プロゴルフ協会(PGA)の倉本昌弘会長は9月の会見で、関西、中部地区の特定の練習場来場者動向の調査報告があったことを明らかにした。

来場者へのアンケートをした結果で、倉本会長は「昨年と比べて20~24歳が125%増、25~29歳が60%増加している。その大半が新規来場者だと聞いている」とし、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった3月以降、20~24歳、25~29歳、35~39歳の年齢層が増加傾向にあるとしている。

リモートワークが始まった時期と重なり、「体を持て余している、でも密にならないところへ行きたい、ということで(若い層が)ゴルフを選んでくれている」(倉本会長)。一方で、60代、70代の年齢層では40~50%減少しているという。

ゴルフは先述したように、3密を避けやすいスポーツ。しかし、緊急事態宣言下では、県をまたぐ移動制限もあってその特長を声高にPRすることもできなかった。

練習場で打席の間隔はもともと開いていて、ソーシャルディスタンスが保たれている。大声で話しながら練習するわけではないので、飛沫感染のリスクも低い。

にもかかわらず、テレビの情報番組では不安をあおるかのように、ゴルファーが並んで打っているシーンを横から映して「密になっている」などと伝えていたところがあった。いわゆる”自粛警察”の圧力もあって、休業に追い込まれる練習場が出るなど、ゴルフ関係者も歯がみした経緯もある。

ゴルフ場のコロナ対策も奏功

ゴルフの様子をテレビなどで見たことがある人なら、ゴルフをしなくてもソーシャルディスタンスを保ちやすいことは想像がつくだろう。練習場も上から映すだけにすれば、人との距離を取っているのがわかったはずだ。

日本ゴルフ場経営者協会、日本パブリックゴルフ協会の連名で「ゴルフ場業界としての新型コロナウイルス感染症感染拡大防止ガイドライン」を作成したことは先に紹介した(「宣言解除後のゴルフ、新たな再開に向けた道筋」)。

3密回避を徹底し、スループレーや9ホール短縮プレー、2人組でのプレーなど従来とは違ったスタイルの導入などを呼びかけ、ポスターも作成した。こうしたゴルフ場の対策情報も、客の耳や目に入ってきたといえる。

ゴルフ人口の減少に悩むゴルフ界はコロナ前、ゴルファー創出、特に若い世代にゴルフをやってもらう有効な手段は見つけられていなかった。

若い人が敬遠する原因だった「1日仕事」という時間の壁は、スループレーや9ホールプレーで少し崩れてきた。「会社のコンペだからといって参加を強制されるのは嫌だ」という人も、コロナ対策でコンペがなくなり、気の合う仲間とネットで簡単に予約して、プレーできるようになった。

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