「毎日が暴力」高2女子が見た留学先の壮絶実態 授業中にマリファナ、家では「使用人扱い」…
薬物と暴力の蔓延する学校、メイドのような生活……絶えきれなくなりルールどおりにホストファミリーに相談したが、何のアクションも起こされなかった。それどころか、ホストマザーとの関係は険悪になった。
「ホストマザーの気分を害したらいけないと思い、『学校がどうしても合わないから学校を変わりたい。だから、ホストチェンジをしたいんだけど』という言い方にしたのですが、その日から態度が急変。一番下の実子を『触らないで!』と言われるようになりました。ボランティアだと聞いていましたが、何か収入が減るなど、デメリットが出るのではと思ってしまうほどでした」
また、ホストファミリーから斡旋団体に苦情が入れば、それはそれで例のNGカードになってしまう──。
追い詰められた凜さんは、出発前の合宿で連絡先を交換していた日本人の生徒2人に連絡をとってみた。すると、その子たちも苦しい思いをしていることが判明した。
「彼女たちはオプション料金を払って私立の学校に入ったようで、学校に対する不満はなさそうでしたが、ホストファミリーには困っていました。1人は携帯を取り上げられ、誰とも連絡がとれない状態にされたため、学校の先生に相談、警察が動いてホストチェンジしてもらっていました。
もう1人は家がゴミ屋敷のように汚く、食事も満足にもらえていないそうでした。実際に部屋の写真も見ましたが、確かにひどかったですし、食事としてなんとドライタイプのドッグフードが出されていたんです。作るのが面倒だからコレを食べろと言われたそうです。その子は、学校で仲良くなった友達に助けを求め、自力でホストファミリーを探し、ホストチェンジしていました」
ついに行動を起こした凜さん
こうした情報を基に、凜さんも行動を起こすことを決めた。同じ米軍基地内に暮らし、学校の部活で仲良くなった子に相談、この家庭に受け入れてもらうことができたのだ。メイド扱いを受けるホストからは解放されたが、学校は変われずじまい。「このままでは頭がおかしくなる」と、12月、当初の予定を2カ月繰り上げて帰国する選択をした。
「思い描いてきた留学経験を生かした入試は、受験資格に足りず、もう受けられません。でも、それでも帰国してよかったと思っています」
帰国後は席を残していた中高一貫校に戻り、高校3年生となり元の日常生活を送っている。彼女が、留学で得たものはあったのか。
「ヒアリング力はついた気もしますが、現地校では単語を読めない生徒も多く、リーディングやライティングはほとんど向上した気がしません。ホストファミリーも学校も、団体の審査を通った所と聞いていたので安心していましたが、まったく安心できるところではありませんでした」
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