「毎日が暴力」高2女子が見た留学先の壮絶実態 授業中にマリファナ、家では「使用人扱い」…

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彼女の周りだけでもこれだけのことが起きている。としたら、なぜこれまで表に出てきていないのか。

凜さんはこう分析する。「高校生の留学は夏休みなどの短期や1年くらいが主流です。帰国後は大学受験で忙しくなりますから、留学団体に文句を言っている余裕はなく、泣き寝入りになる。それが、こうした状況を表に出にくくしている原因ではないでしょうか」

残期間の費用が返還されるケースもあるが…

では、個人手配で安全な留学を考える際、何に気をつけて見たらよいのだろうか。文部科学省のHPには、こうしたトラブルを避けるため、情報提供を行う団体の紹介がある。

その1つ、J-CROSS(一般社団法人 留学サービス審査機構)では、留学事業者が守るべきルールを作成。個々の事業者がそのルールを満たすかどうかの認証を第三者の立場で行っており、基準を満たした事業者をリスト化している。今回の団体はというと、有名な団体ながら、このリストには入っていなかった。

留学事情に詳しい、弁護士の外海周二氏はこう話す。

「昨今、留学を巡るトラブルは非常に多くなっています。途中帰国した場合でも滞在しなかった期間の費用を返還してもらえるケースもあります。日本の消費者契約法では消費者契約の解除に伴い、当該事業者が被る平均的な損害の額を超える部分の請求はできないという規定があるため、事業者から不当に返金を拒否された場合はその点を主張し、中途解約されたホームステイの残期間の代金の返還を求めることができる可能性があります。

その場合でも実際に返還されるかどうかは別問題です。とくに、相手が海外の団体の場合、交渉に時間がかかる場合も多く、現実的には難しい場合もあります。したがって、どんな団体、エージェントを通して留学に行くのかという点が非常に大切になりますから、しっかりと吟味をして選んだほうがいいでしょう」

若者の海外留学が増える今、とくに未成年子どもたちの安全を守るためにも、希望ある未来を打ち砕かないためにも、留学斡旋団体に対してのより厳格な審査が必要になってきているのではないか。

宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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