採用面接で「血液型を聞く」のはなぜ、NGなのか ビジネスマンが注意したいステレオタイプ

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当然ながら、必ずしもすべてのその国の国籍の人がそのタイプということではありません。実際私はスキー、スケートなどのウインタースポーツは苦手なのですが、スキー場ではカナダ人というだけで颯爽と滑走する姿を期待されるようで、もう周囲の目が負担でなりません。

まあ、スキー場でカナダ人のくせにおぼつかない滑りをする私を見て笑ってもらうくらいは、私は気にしないのですが(いや、ここに書いている時点で少し気にしているのかもしませんが)、これがビジネスシーンとなるとちょっと気をつけたい点がでてきます。それは人物評価と関係している場合です。

なんで年齢を聞くの?

私は立場上よくマスコミの取材を受けるのですが、そこで経歴と共に必ず聞かれるのが年齢ですね。

「なんで年齢を聞くの? それって関係ある?」と広報に聞くと「日本では記事やニュースにでてくる人がどんな人物なのかを想像してもらうために年齢を入れる」ということです。年齢を海外のインタビューではまず聞かれることはありません。

日本でも面接で年齢を理由に不採用にすることはダメですし、当然性別や仕事と直接関係ないことを理由に不採用にすることはできません。カナダやアメリカなどではより敏感で、面接で聞かれたこと=採用の判断材料、と解釈されるので誤解を避けるために、年齢、性別などを聞くことはNGとされています。

就労ビザの関係で国籍を確認することはあるかもしれませんが、そういった理由もなしにプライバシーを根掘り葉掘り聞くのはよい面接ではありません。日本でも面接を何度となく経験していますが、雰囲気を和らげるためにプライベートについて質問することもあるようです。このあたりはずいぶん違いますね。

ちょっと驚いたのが、日本のある企業の面接で血液型を聞かれた、という話です。これも面接の雰囲気を和らげる目的だったのかわかりませんが、少なくとも血液型によってパーソナリティに違いがあるということは証明されていません。友人同士飲み会の席での雑談ならまだいいかもしれませんが、人物評価をする面接でこれはいただけないですね。ここは血液型で人物を評価する会社なのか? という誤解を応募者に与えかねません。

一方、面接などではない場合、初対面の人にはやはりいろいろ聞いてみたくなるもの。とくに打ち解けるために「ご出身どちらですか?」という会話をすることが海外でも日本でも多くありますね。

「山形県です」といえば「芋煮、おいしいですよねー。芋煮会やるんですか?」といった会話で盛り上がれるというわけです。ちなみに私の会社は山形県米沢市に工場があるのですが、同じ山形でも米沢のある置賜地区と、山形地区では芋煮の味や具が違いますし、仙台あたりでは牛肉ではなく豚肉を使うそうです。当然ながら自分のご当地の味が一番とお互い思っているようです。

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