北海道で「核のごみ処分場」に続々手が挙がる訳 背景には人口減や財政難など複雑な事情がある
「鈴木知事は菅首相と同じ法政大OBで、そもそもはOBの会合で知り合い親交を深めていった。東京都の職員時代に財政破綻した夕張市に送り込まれ、その後市長となって財政再建に当たったのですが、相談相手になったのが当時総務相だった菅首相なのです。
知事選に出馬した際にも強力な後押しを受けた。9月の総裁選の最中、鈴木知事は菅事務所を訪れ、陣中見舞いと報じられました。菅氏が首相となったことで、鈴木知事も正面から反対しにくくなったのではないか」(政界関係者)
文献調査応募の段階では、知事の意向は何も反映されない。鈴木知事は7日に神恵内村の高橋村長と会談したが、道の条例を順守し、慎重に対応するよう理解を求めるにとどまった。
文献調査に手を挙げざるをえない過疎地の自治体の窮状と、政治のしがらみが絡んだこの問題に、誰もが納得のいく解決策を見いだすのは至難の業だ。
背景には過疎の実態もある
今回、北海道の2つの自治体の動きが国民に突き付けたのは、核のごみの処分地選定問題の難しさだけではない。その背景にある地方の自治体の過疎の実態と、遅々として進まない地方創生のあり方、ひいては地方自治のあり方そのものが密接に絡んでいることを浮き彫りにした。
この問題は、原発によって生み出された電力の恩恵を受けている都会の住民にとっても、他人事ではないはずだ。文献調査の次には概要調査がある。目先の利害関係にとらわれず、子どもや孫たちの将来に向け、30年後、50年後を視野に入れた解決策を、自治体判断にゆだねるのではなく国全体で模索していくべきだろう。
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