イオンがブームに着火、「格安スマホ」の行方 月額3000円を切るスマホはどこまで伸びるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ビックカメラ有楽町店、1階のSIMフリースマホ売り場。高齢者だけでなく女性客も多い(撮影:尾形文繁)

「2980円でアイフォーンが使えると聞いて来ました」「スマホで通話もできるなんて知らなかった」。イオンのスマホ売り場には、普段は訪れないユーザーが多く詰めかけた。

イオンは4月4日、通信料と端末代金込みで月額2980円の「イオンのスマートフォン」を発売した。スマホ端末とMVNO(通信事業者の回線を借りてサービスを提供する事業者)の格安SIMカード(契約者情報を記録したカード)をセットで販売する、同社初の試みだ。通信速度は毎秒200キロビットと遅いが、メールやサイト閲覧程度なら問題はない。毎月の料金は携帯電話会社の半額以下だ。

今回は8000台を用意したが、地方を中心に好調な滑り出しとなり、ゴールデンウイーク後には完売となった。「料金体系を説明すると多くの方が安さに驚く。近所の店舗に在庫がないからと他県から来店する方もいた」(イオンモール幕張新都心スタッフ)。

購入客の大半が高齢者

当初、イオンは主なターゲットに主婦やスマホを持ち始める子供を想定していた。しかし、ふたを開けてみれば、購入者の65%が55歳以上の高齢者。従来のスマホ売り場で購入者に占める高齢者の比率は15%であり、明らかにシニア層が多かった。「スマホに興味があっても、どんな機能があるか知らず、料金にも不安を抱える方こそ、イオンが獲得すべきユーザー。その背中を押すことができた」(デジタル事業開発部長の橋本昌一氏)。

次ページ低価格プランのヒットがきっかけ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事