低価格スマホ「モトG」の恐るべき破壊力

SIMフリーの世界に訪れる大波

 本連載は、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンに関するトピックを毎週1つないし複数採り上げながら、米国・シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。今回はグーグルを採り上げる。11月13日に発表されたモトローラの格安SIMフリーのアンドロイドスマートフォン「モトG」が米国時間11月27日に発売された。日本にもSIMフリーのiPhoneが導入されたが、今後のスマートフォンの変化を占うことになるかもしれない。
モトローラが発表した低価格スマホ「モトG」は、業界秩序を変えるポテンシャルを秘めている(写真:ロイター/アフロ)

SIMフリーで、携帯電話の販売方式が変わる?

日本の2014年のスマートフォン市場を占う上で、大きなインパクトを与えうるのが、アップルが発表したSIMフリー版のiPhone発売だ。直接的な影響はそこまで大きくなくとも、少しずつ、消費者の選択や価値観に影響を与える可能性がある。

iPhoneは通常、各国の携帯電話会社から購入する仕組みをとっており、2年間の契約を前提にして端末価格を割り引く会社が多い。iPhoneはリアル店舗であるアップルストアでも販売されているが、あくまでiPhoneを売るのは携帯電話会社、という扱いだ。

日本でも、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3大キャリアが、契約と紐付ける形でiPhoneを販売し、月々の端末代を割賦で支払い、その金額が毎月割り引かれる。日本ではいわゆる「2年縛り」と呼ばれ、2年間の間に途中解約すると、端末代の残り(残債)と違約金が発生する。その時初めて、iPhoneそのものの価格を意識することになる。

これに対し、アップルが日本でも発売したSIMロックフリー、あるいはSIMフリーの端末は、特定の通信会社向けにSIMロックがかけられておらず、通信方式と契約内容さえ対応していれば、1台の端末で国内外の好きな携帯電話会社と契約し利用することができる。ただし、そのかわり、携帯電話会社による端末代の割引はなく、日本の場合16GBのiPhone 5sで71800円という高価格になる。

携帯電話会社から受けられるメリットは価格だけではない。iPhone向けの割引料金プランや、テザリングなどの通信機能を許可しない携帯電話会社もあり、必ずしも良い条件でiPhoneを利用できるわけではない。恩恵を受けられるのは、海外を頻繁に行き来しているビジネスパーソンが中心になるだろう。

次ページ驚きの安さ
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 今見るべきネット配信番組
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
トレンドライブラリーAD
人気の動画
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT