イギリス、韓国におけるインターネット選挙運動の歴史--解禁へ向け動き出したインターネット選挙運動[4]
本連載を行っている最中にも、日本におけるインターネット選挙解禁が着々と進んでおり、2月6日付の産経新聞には「ブログ更新OKに ネット選挙運動解禁素案判明」との記事もあった。現在完成しているのはあくまでも民主党案にすぎないので、今後与党内ひいては野党との折衝を経てどのように修正されていくか、国会を通過していく過程をぜひ注視していただきたいと思う。
今後の議論の過程を見るうえでも、諸外国における事例を学んでおく意義はますます高まった。前回のアメリカに引き続き、今回はイギリスと韓国の歴史と事例を概説したい。
イギリス~急増するツイッター議員
二院制・二大政党制といった議会政治の母国イギリスでは、戸別訪問による選挙運動が大きな特徴であり、各候補者のインターネットへの対応はスローペースであった。
一応、1997年の総選挙が最初のインターネット選挙と呼ばれており、主要政党のホームページが立ち上がった。2001年総選挙ではその内容を対象有権者向けに少しアレンジする手法が採られた。
そうした手探りの時代を経て、05年総選挙になると、ブレア首相が労働党ホームページにブログを掲載するといった双方向性を模索する新たな動きが出てくる。2.5ポンドで販売しているマニフェストを、ホームページから無料でダウンロードができるようにもした。
また、投票日前日にブラウン財務大臣と連名で「英国を良くするために労働党に投票を」と3万5000人の登録者に送信も行った。
出典:自治体国際化協会リポートより
しかし正直言って、同時期の米国大統領選挙でディーン候補が行ったことに比べれば、最低限これくらいはやっておこうか、程度のキャンペーンにすぎないだろう。