高知東生が語る「それでも薬物に手を出した訳」 なぜダメだとわかっていても使用したのか

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そのなかで、「やったことないの?」と言われ、田舎者だとバカにされないよう「ありますよ」と嘘をつきながら、薬物に手を出しました。本当はダメだと分かっていて、心は震えながらも、自分の成り上がるという目標があったからこそ、手を出してしまったんです。

ディスコで薬物に出会ってしまうことも(写真:pixabay)

安部:たしかに、他の人に言えない“悪さ”の共有は人と人との距離を近づけますよね。特別な連帯感が生まれ、それだけで自分にいいことをしてくれたり、そこだけに流通する情報が手に入ったりする。憧れる人たちに追いつくためには、薬物をやった方が得なんじゃないかと思ったということですね。

高知:そうです。秘密を分かち合うことで、仲間の結束が生まれるというか。今思えば歪んでいますが、そこに自分は居場所を求めた。それが大きな間違いの始まりだったんですけどね。

なぜ吸わないのか、という空気になる

安部:薬物に限らず、たとえば煙草でも同様のことは起こり得ますよね。私も昔は煙草を吸っていたのですが、それは悪さをするグループの先輩たちが吸っていたから。カラオケの個室で、「何で吸ってないの?」みたいな感じになって、これは吸わなきゃグループの一員でいられないなと。きっと、それと似た感じですよね。

高知:まさしくそうです。

安部:塚本さんはどういった理由でしたか。

塚本堅一:私自身が逮捕されるきっかけになった薬物は、ラッシュ(RUSH)というセックスドラッグです。20年くらい前には合法で売られていたものです。私はセクシャリティがゲイなのですが、そのコミュニティで流行していたこともあり、合法だった時代はちょっとしたご褒美のような感覚で使い続けていました。

それが、危険ドラッグを規制しようという流れの中で対象になり、流通しなくなりました。

私はラッシュに似た液体を、合法な材料を配合してつくれるキットを販売しているサイトをたまたま見つけ、それを本気で信じて買ってしまったんです。そのサイトは捜査機関に目をつけられていたので、それをきっかけに、購入者の中にNHKのアナウンサーらしいやつがいるぞということが話題になり、逮捕につながったという感じです。

安部:薬物は、多くの場合は性行為とセットで使われるものなのでしょうか。

高知:そうとは限らないです。僕の場合はほとんどセックスでしたが、たとえば映画にハマりたいなど、それぞれの使い方があります。

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