高知東生が語る「それでも薬物に手を出した訳」 なぜダメだとわかっていても使用したのか
高知:薬物をやっていたときは嘘をつきまくっていたからね。嘘をついてしくじったぶん、今一番僕らにとって大事なことは、正直に自分の経験を分かち合うことじゃないかなと思っています。
その中で一つだけ言えるのは、家族や仕事が自分の人生の中で大切なもので、たまに薬物があるぐらいの感覚だったものが、いつの間にか優先順位が変わってしまうということです。それが薬物の怖いところなんです。
最初は、大切な人の前で笑顔でいたい、そのためにストレスを解消して、自分を調整したいという気持ちがあって。その気持ち自体が歪んでいると今なら分かるんですけど……。でもその当時はそういう美学のようなものがあった。
それが、どんどん、どつぼにはまっていって。自分の人生における大切な人に対して、薬物を使うために嘘をつくようになってしまったんです。
回復した人が支えてくれた
そんな中で僕らが今、みなさんの前に立っていられるのは、僕らより先に回復し続けた人たちが支えてくれたから。
だから今度は僕らが、生きづらさを感じたり、いろんなことに苦しんでいる人たちの役に立ちたい。
そのためには、正直に自分の経験をさらけ出して、「私はひとりじゃないんだ」と気づいてもらうことが必要なんじゃないかと思っています。
・・・後編「個人の主観で語られ、ガイドラインすらも無視する薬物関連報道――経験者が語る、薬物依存の実態と報道のあり方」に続く
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