カリフォルニア「エンジン車禁止」発表の意味

環境規制でリードする同州が世界に与える影響

そうした経緯があり、今回のZEV法強化案についても自動車メーカーは戦々恐々としている。また、中国への影響も懸念される。なぜならば、中国が2019年から施行している新エネルギー車(NEV)規制は、カリフォルニア州政府と中国政府がZEV法を基盤に協議し策定したからだ。この点は、中国政府が過去に主催したEV関連会議で公表している。

さらに、今回の発表のタイミングも気になる。カリフォルニア州の連邦政府に対する、政治的な思惑が見え隠れするからだ。トランプ政権とカリフォルニア州は、オバマ政権で決まった将来の燃費規制の見直しについての方針で対立しており、11月の大統領選挙を控えたこのタイミングでの発表には、それなりの意味があるはずだ。

タイミングという観点では、今回の会見の前日、テスラが第22回株主総会を実施し、リチウムイオン2次電池の新規開発事業によりEV製造コストの大幅削減が可能であるとして、さらなる投資を呼びかけた。世界的なトレンドとなっている、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資での観点を強調したかたちだ。

規制や政策で出遅れている日本

こうしたカリフォルニア州とテスラの発表を受けて、筆者のもとには各種メディアや自動車業界関係者らからさまざまな問い合わせがきている。主たる質問は、「日本はクルマの電動化に出遅れているのか」というものだ。

日産が期間限定で実施している「ニッサンパビリオン」では電動化技術が強調される(筆者撮影)

周知の通り、技術的には日本は出遅れていない。現行のEVで主流であるリチウムイオン2次電池量産化の発祥の地であり、ハイブリッド車の普及率も高く、自動車エンジニアがいう“究極の環境対応車”である燃料電池車の量産化でも世界をリードしてきたからだ。

他方で、規制や政策という観点では、日本の出遅れ感は否めない。

海外では、カリフォルニア州ZEV法、中国NEV規制、またヨーロッパ連合(EU)の実務機関であるヨーロッパ委員会(EC)が推進する、欧州グリーンディール政策が基盤の厳しいCO2規制を背景に欧州主要国が「20〇〇年までに××政策」を打ち出している。

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