上海に上陸したヤマト「宅急便」、夢はアジアの“黒猫”《中国を攻める》

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大衆佐川の取り扱い個数は1日1万個、1万件。「地元の民間調査会社によると大衆佐川のシェアは10~12%らしいが、根拠はないようだ。ただ『1件1個』という日本同様の宅配便の定義を当てはめれば、大衆佐川は間違いなく上海でトップシェア」と大衆佐川幹部は話す。

大衆佐川は配送拠点25カ所で、BHナンバーのトラックが50台、それ以外も含めて116台体制だ。BHは合弁相手の大衆交通から借りている。ドライバーは150人。対する雅瑪多は、拠点数こそ20カ所と少ないが、トラックは全車BHで100台、ドライバー200人と大衆佐川を上回る。初年度取り扱い目標は600万個と、大衆佐川の昨年実績を軽くしのぐ。

それに対し佐川側は、「内環状線の内側に入る必要のある荷物は限られる。BHは50台で十分」と切り返す。トラックで運ぶのは全体の35%で、残り65%は配送拠点から電動自転車やバイクで配達している。

日本同様の宅配便のうち、即日再配達と荷物追跡サービスは、大衆佐川がニーズの大きさを確認済みだ。地元業者は翌日配達と翌々日配達が半々といったところだが、大衆佐川は荷物を受け取ってから翌日までに100%配達。うち23%は即日再配達をしている。共働きが多い上海では、即日再配達の需要は大きいのだ。

荷物追跡サービスは地元業者と同様、主に電話でしている。大衆佐川の時間帯指定は午前と午後の二つのみ。気温の低い上海ではクール便は扱っていない。

日本同様にきめ細かい時間帯指定やクール便のニーズがあるかどうかは、ヤマトの事前調査で確認済みとはいえ、実際どれだけあるかは、ふたを開けてみなければわからない。

日本では当たり前の年中無休も、中国では意外に高いハードルだ。大衆佐川は上海市民のみを採用することで、旧正月に1日休む以外、1年364日無休体制を築いた。

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