過密する「東京の人口」が減少に転じたカラクリ

一方で品川・千代田・中央など一部の地区は増加

東京の人口が減っているまさかの理由とは??(写真:北村 / PIXTA)

東京の人口減少が話題になっている。東京都の8月1日現在の人口推計(平成27年の国勢調査人口をベースに毎月の住民基本台帳人口の増減数を加えて推計)によると、都の人口は1399万3721人で、前月から5903人減った。

8月の前月比で人口が減ったのは8年ぶりだ。住民基本台帳に基づく都の人口は1387万7010人で、日本人は1332万4105人、外国人は55万2905人となっている。

総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、東京都は5月と7月が転出超過となり、2013年7月以降で初めての現象となった。また、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)でも7月は2013年7月以降初の転出超過となった。こうしたニュースが続くと、延々と続いてきた「東京一極集中」の流れがいよいよ変化し始めたのかと思いがちだが、実態を見てみると意外な事実が浮かんできた。

東京からの転出・転入が大幅に減る

まず、象徴的なのは全国各地からの東京への転入、また東京からの転出が、それぞれ大幅に減っていることだ。コロナ禍の影響で、進学や転勤など人の動きが抑制されたことが大きな要因と見られている。例年、人口移動が多い3月から5月、そして再び転出超過となった7月の状況をみてみよう。

【3月】コロナ感染者数が増え、下旬には都知事の「ロックダウン発言」が話題になった月だが、人口移動はまだ活発だった。東京都の転入者数は10万人超で前年同月を6401人も上回った。転出は5万7082人で、同5758人の増加。その結果4万199人の転入超過となった(同643人増)。

【4月】緊急事態宣言が出た月である。その影響は顕著にあらわれた。転入者数は5万9565人で同9112人減。転出者数は5万5033人で同571人減。トータルでは4532人の転入超過だが、前年同月比では8541人減だ。

【5月】緊急事態宣言が継続し、巣ごもり生活を余儀なくされていた時期である。転入者数は2万2525人で同1万2842人の大幅減(36%減)。転出者数は2万3594人で同7292人減(24%減)。その結果、1069人の転出超過となった。前年同月は4481人の転入超過だったから、逆転現象が起きたわけだ。

【7月】再び感染者数が急増し、「第2波到来」と言われた。転入者数は2万8735人で同4203人減。転出者は3万1257人で同482人減。差し引き2522人の転出超過となった。前年同月は1199人の転入超過だから、この月も逆転だ。前年同月で比べると39の道府県で東京都への転入者数が減り、逆に25道府県では東京都からの転出者数が増えている。「東京離れ」が顕著になっていたのである。

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